アトランタ連銀総裁がFOMC会合の結果と今後の利上げについて語る

9月16日から17日のFOMC会合を終え、Fed(連邦準備制度)の連銀総裁たちが今回の決定についてコメントをしているが、そのうちアトランタ連銀総裁のロックハート氏の発言のなかに重要なコメントがあったので言及しておきたい。

ロイター(原文英語)によれば、Fedは今回の会合で政策金利を維持することを決めたが、この決定についてロックハート氏は「現在の市場のボラティリティに対するリスク管理という観点に多くのウェイトを置いて判断した」と述べており、市場の不安定性を考慮したことを表明した。

また、ボラティリティは「より本質的な病巣の兆候」(a symptom of more fundamental ills)である可能性があるとし、進展をもう少し見守るのが良いと考えたとした。

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米国利上げは延期、やや不可解なFOMC結果をどう解釈するか

速報でも報じたように、 9月17日、Fed(連邦準備制度)は政策金利を維持し、利上げを先送りにする決定を下した。今後の方針については、引き続き多数の会合参加者が年内の利上げを想定しているという従来の表現を続けたのみで、利上げについてこれまで以上の情報発信をすることはなかった。

表題に「不可解な」と書いたのは、以前の記事での予想、つまり、利上げをしない場合は近日中の利上げをはっきりと表明するという想定が外れたからである。この想定が外れた場合に何が不合理であるのか、そしてその矛盾は何を暗示しているのかを、この記事で考えてみたい。 続きを読む 米国利上げは延期、やや不可解なFOMC結果をどう解釈するか

FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

第一回目の速報で述べたように、Fed(連邦準備制度)は米国時間9月17日、FOMC会合で利上げをせず、政策金利を維持することを決定した。

会合の結果が発表された後、議長のイエレン氏の記者会見が行われており、今回の記事ではその内容の重要な部分を抜粋して紹介する。以下の通りである。 続きを読む FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

FOMC結果速報: 米国は利上げを決定せず、政策金利は維持へ

米国時間の9月17日、Fed(連邦準備制度)の決定会合であるFOMC会合の結果が発表され、市場で期待されていた利上げは行わない決定を下した。リッチモンド連銀総裁のラッカー氏はこの決定に反対し、0.25%の利上げを行うべきだと主張した。

この後イエレン議長による記者会見が予定されており、今回の決定と今後の金融政策について説明を行うと予想されている。米国の利上げについては以下の記事も参考にしてほしい。


追記FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

米国利上げに関する著名ファンドマネージャーたちの見解

米国の利上げについてはここでも様々記事を書いてきたが、9月16-17日のFed(連邦準備制度)のFOMC会合を間近に控え、著名投資家たちも自身の意見を表明しているので、これらを纏めてレビューしておこう。

ジム・ロジャーズ氏

先ずはYahoo! Financeのインタビューに答えているジム・ロジャーズ氏からである。彼は利上げ後の市場については弱気派であり、Fedは金融政策を逆戻しする羽目になると主張する。 続きを読む 米国利上げに関する著名ファンドマネージャーたちの見解

9月16日、17日のFOMCで米国は利上げするのか?

さて、いよいよ利上げの可能性のある初めてのFOMCが行われようとしている。Fed(連邦準備制度)は米国時間9月16日と17日に政策決定会合であるFOMCを開催し、その結果を17日に発表することになる。

Fedの利上げについては長らく記事にしてきたが、9月の利上げの可能性について再び纏めておこう。個人的には可能性の高いシナリオは2つあり、可能性は五分五分であると考えている。2つのシナリオとは以下の通りである。 続きを読む 9月16日、17日のFOMCで米国は利上げするのか?

米国利上げ後の投資戦略: 株価がいずれ暴落する理由と為替、債券、金がどうなるか

2015年8月に株式市場が急落した後、市場はいまだ軟調であるが、以下の記事に紹介した通り、Fed(連邦準備制度)の姿勢は変わらず利上げに積極的である。

世界最大のヘッジファンド、Bridgewaterのレイ・ダリオ氏などは米国の量的緩和再開を期待していたようだが、そのような投資家の希望的観測が当たらないということは、ここで一貫して主張してきた通りである。上記の記事では世界同時株安後の連銀総裁たちの発言を引用したが、それらの発言通り年内利上げは既定路線だと見るべきだろう。

さて、これらの状況を踏まえて投資家は今後の戦略を考えなければならない。基本的にはここに何度も書いてきた通りなのだが、重要なポイントを纏めてみよう。

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中国株暴落で中国経済はどうなるか?: 景気減速の原因と中国経済が日本のバブル崩壊時に似ている理由

中国株安については7月11日に上記の記事で報じたが、上海総合指数は結局5178から2850まで下がった。記事を書いた当時、中国株は一度リバウンドし、4000近辺をうろうろしていたが、予想通りそこでは止まらず2000台まで下落した。

これまで書いてきた通り、中国経済のバブルとは地方政府の債務や理財商品、不動産のことであり、株式のことではなく、投資家の目線は株価自体よりも中国経済そのものに向かっている。世界の経済成長の多くの部分が中国によってもたらされてきたのだから、その懸念は当然である。したがってこの記事では、頭打ちを 迎えている中国経済はこれからどうなるのか、長期的に成長の余地がまだあるのかを考えてみたい。

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世界同時株安のあと株価はどうなるか?: 暴落でなければ米国株は何処へ行くのか

米国の利上げと中国の景気減速を原因とする世界同時株安は一度リバウンドを見せたものの、株価は再び下落し、2番目のボトムを探っている。

この後の展開がダブルボトム、トリプルボトムとなり株価が落ち着くのか、中央銀行が対応せざるを得ないほど急激に下落してゆくのか、チャートの形は分からないが、そろそろその後の展開を考える時期に来ているだろう。先ずは今回の急落を予想した2月の記事をもう一度思い出してみよう。

この記事では、利上げ前後に関する3つの可能性を挙げたが、そのうち一番可能性の高いと書いたシナリオは以下の通りである。

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世界同時株安が反発: リバウンドはいつまで続くか? 9月に米国は利上げをするのか?

世界同時株安が典型的な半値戻しを達成した。下落前から底値、そして反発した現在までの指標は大雑把に以下の通りである。

  • S&P 500:2100 -> 1867 -> 1988
  • ドル円:124 -> 116 -> 121
  • 日経平均:20500 -> 17700 -> 19100

リバウンドは続くのか? 個人的な見方はやや悲観的だが、投資家にとって何より重要なのは、何度も言うように、どちらに転んでも良いようにポジションを立てておくことである。

ここで推奨してきたように、急落前にS&P 500を空売りしておいた投資家、そして急落時にドル円を拾った投資家は、この急落を非常に楽しんでいることだろう。どちらに転んでも利益が出、かつ別のポジションを立てる機会が現れるからである。

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