以下のロイターの記事は結構重要な内容なのだが、巷ではあまり重要視されておらず、多くのアナリストらの話題もいまだ可能性のほとんどない追加緩和の有無の話ばかりである。
この記事によると、日銀は今回の会合で物価見通しを引き下げ、その結果2%のインフレ目標の達成が後ずれし、量的緩和の終了も延期されるというものである。ここでは日銀は量的緩和を終了することはできないと何度も書いてきたが、それを日銀が公式に認めることで市場へのリップサービスにしようということだろう。
以下のロイターの記事は結構重要な内容なのだが、巷ではあまり重要視されておらず、多くのアナリストらの話題もいまだ可能性のほとんどない追加緩和の有無の話ばかりである。
この記事によると、日銀は今回の会合で物価見通しを引き下げ、その結果2%のインフレ目標の達成が後ずれし、量的緩和の終了も延期されるというものである。ここでは日銀は量的緩和を終了することはできないと何度も書いてきたが、それを日銀が公式に認めることで市場へのリップサービスにしようということだろう。
米国の中央銀行、Fed(連邦準備制度)は米国時間で10月27日から28日、金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、利上げについて議論を行う。結果は28日に発表される。
個人的には10月の利上げはないと考えており、市場の意見も同様のようである。金利先物市場は10月利上げの確率を5.7%としている。利上げがないと考える理由は以下の通りである。
第一に、Fedから次の会合で利上げをするというメッセージが出ていない。Fedが金融引き締めに動く際には、市場を驚かせないよう事前に記者に情報をリークするなどして、投資家に心の準備をさせるものであるが、現時点でFedのそういう動きは見られていない。
中国の習近平主席がイギリスを訪問している。イギリスは中国の主導するアジアインフラ投資銀行の出資にヨーロッパ諸国で一番最初に名乗りを上げるなど外交面で中国をサポートしており、習近平主席は10月18日、訪英に先立って、イギリスの外交を「先見的かつ戦略的」であり、今回の英国滞在で英中関係が黄金時代に入ることを望むと述べた(ロイター)。
この習近平主席の発言はまったく正しい。イギリスは国を挙げて中国を優先的に扱っていた国であり、政府のみならず国民のなかでも、中国への関心はずっと高かった。もう10年以上も前から、ロンドンで知的階級の社交の場に赴けば、中国の文化に関するレクチャーやセミナーなどが頻繁に行われており、中国経済が巨大になるということを見据えて、経済面のみならず歴史や文化の面からも中国という国を理解しようと努力してきたのである。
しかしながら、イギリスにとって理解しようと努力することは必ずしもその国を好むということではない。今回の習氏の訪英は険悪なムードに終わった訪米とは違い、基本的に和やかなムードで進んでいるが、唯一軋轢が生じたとすれば、それは反中国で知られる次期国王、チャールズ王太子の晩餐会欠席である。
あらゆる状況証拠が追加緩和は無いと言っているのだが、少なからぬ市場参加者が追加緩和を期待しているようである。
先ず円がじわりと上がってきている。これはドル高ではなく円安である。ユーロ円なども似た動きをしているからである。
量的緩和の為替市場や株式市場に対する効果はこれまで散々議論してきたが、その背景にある政治的意図について詳しく書いたことはなかったと思うので、一度記事にしておきたい。2回目の追加緩和があるかどうかということは、インフレ率やGDP成長率の問題ではなく、政治的問題だからである。
先ず、2013年4月に導入された日銀の量的緩和政策はどのような政治的経緯で決定されたものであったか? これは2012年後半に首相となった安倍氏が緩和的な金融政策を望み、その意向を汲んだ人物として黒田氏を日銀総裁に就任させた。
この時、総裁候補として他に有力であった人物に武藤敏郎氏がいたが、黒田氏と武藤氏に共通する経歴がある。大蔵省出身であるということである。
ヨーロッパの移民問題が文字通り血みどろの悲劇となっている。将来行われるヨーロッパ各国の選挙では難民問題が一番の焦点となることになり、投資家にとってもフォローしておくべき内容だろう。
ブルガリア南東部の町で10月15日、国境警察の威嚇射撃の流れ弾がアフガニスタン難民の1人に当たり、死亡する事件が起きた。日経新聞によれば、国境警察がトルコから不法入国した移民を発見し、制止しようとしたところ抵抗したため、警告射撃を行った際、流れ弾がアフガニスタン人男性に当たり、病院への搬送中に死亡したとのことである。
国連などは国境警察の対応を非難しているようだが、国境警察としてはテロリストの可能性もある不法移民を取り締まらないわけにはゆかない。この問題の原因は国境警察でも不法移民でもなく、別の場所にあるのである。
上がったと言っても米国株の話である。日経平均も反発してはいるが、ドルが軟調のため米国株ほど上がっていない。まずは米国株のチャートを見てみよう。
次は日経平均のチャートである。
ヨーロッパが移民殺到で混乱の極地に達している。経済的に見た場合、ヨーロッパには本来移民受け入れ能力はないのだが、ヨーロッパの知識人の意見は倫理観と現実問題の間で揺れているようである。ヨーロッパの移民問題に関する個人的な意見は一貫しており、受け入れるならば計画的に、そうでなければ初めから受け入れられないと宣言することである。
しかし、そもそもヨーロッパでは、シリア問題が悪化する前から移民の問題は存在していたのである。流入数や失業率などのデータを挙げることは出来るが、ヨーロッパの移民の現状は日本の読者の多くには馴染みがないだろうから、一つイタリアでの出来事について話してみたい。
さて、世界中の金融政策が微妙な状況となってきた。大筋ではトレンドがほとんど変わっていない米国の雇用統計にもかかわらず、Fed(連邦準備制度)は利上げをするかどうかを曖昧にしている。彼らはより良い経済指標を待っているのか? 個人的な推測によれば、そうではない。Fedは恐らくある程度の株安を望んでおり、それが持続することを目指しているのである。
これらの記事で説明したように、Fedの目的が利上げそのものではなく株安そのもの、つまり量的緩和バブルのガス抜きであるならば、株安が継続する限り今年中の利上げは必ずしも必要ではないということになる。その場合、ドル円や金はどうなるだろうか? 利上げの延期は日銀の追加緩和にも影響するのか? 今回の記事ではこれらの点について考察したい。
何度も書いている通り、世界の経済大国を見回してみれば、大幅に成長している国はない。中国の景気減退を含めて世界的な需要減を懸念して銅や鉄鉱石など多くのコモディティ価格が大暴落している。
しかしながら、それでも世界のすべての国が低成長であるわけではない。そこで一度、主要国の経済を俯瞰し、投資家にとって何処に利益の機会があるかを探してみたい。