6月23日の国民投票でイギリスのEU離脱が支持された後の金融市場の急落で、著名ヘッジファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏が巨額の利益を得たとの報道がIndependent(原文英語)など英語圏でいくつか見られる。
国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力
イギリスの国民投票についてはリアルタイムで報じ続けているが、EU離脱が正式に決まったことでもあるし、この辺りで一連の出来事についてコメントを残しておきたい。
今回の結果にははっきり言ってかなり驚いた。イギリス人は驚くべきことにEU離脱を選んでしまった。これは並大抵の精神力ではない。何故それが並大抵の精神力ではないのかについて、この記事では詳説したいと思う。
イギリス国民投票結果速報: 開票率72%でEU離脱が優勢
現在開票が行われているイギリスのEU離脱を賭けた国民投票だが、最新の開票結果では、驚くべきことにYouGovによる出口調査とは逆の結果となっている。開票率は72%で、EU離脱派が51.7%、EU残留派が48.3%となり、EU離脱派が優勢となっている。YouGovによる調査ではEU残留が優勢となっていた。
人口の多く、残留派の多いロンドンのなかのいくつかの地域が未開票であるため、まだ形成の逆転する余地がないとは言えないが、開票率は既に高く、金融市場ではポンドが暴落し円高株安になるなど、離脱を織り込む形でリスクオフの気配となっている。
イギリス国民投票結果速報: 出口調査はEU残留派が4%差で勝利
6月23日に行われたイギリスのEU離脱を問う国民投票が現地時間の22時に締め切られた。投票を済ませた有権者に対してYouGovが行った世論調査によれば、EU残留賛成が52%、EU離脱賛成が48%となり、4%差でEU残留を支持する人の数が上回った。
公式の結果は現在開票が行われているが、YouGovは2014年のスコットランド独立を賭けた国民投票で結果をかなり正確に予測した実績があり、信頼性が高いとされる。
マスコミはいい加減円を安全通貨と呼ぶのを止めよ
毎度のことだが、そのような根拠の無い表現は一体何処から出てきたのか。以下はロイターの記事である。
安全通貨だとか、避難先だとか、一切根拠のない出鱈目が何故毎度のように紙面を賑わすのか。
イギリス国民投票: EU離脱で日本市場が円高株安になる理由
市場がやや荒れている。原因は確かにリスクオフなのだが、しかし単にリスクオフと言うのではなく、状況をより厳密に理解することが必要である。
6月23日にイギリスで行われるEU離脱を賭けた国民投票で、投票日直前になりEU離脱派が勢いを増していることを受け、金融市場は円高株安の様相を呈している。
また、6月の決定会合でFed(連邦準備制度)がアメリカ経済にやや弱気な見方を示したこと、そして日銀が特に何も出来なかったことも日経平均やドル円のマイナス材料になっている。
パナマ文書を盗んだ疑いでモサック・フォンセカのプログラマが逮捕
パナマ文書流出問題の渦中にあるパナマの法律事務所、モサック・フォンセカから機密情報を持ちだした疑いで、モサック・フォンセカのジュネーブ支店で働いていたIT技術者が逮捕された。ガーディアン紙(原文英語)などが報じている。
パナマ文書問題では、オフショア企業などの登記を担当していたモサック・フォンセカの顧客情報が流出し話題になったものの、データがどのように盗まれたのかについてはこれまで明らかにされておらず、今回の従業員の逮捕はそれを調査する上での初めての大きな進展であると言える。
マイナス金利で国債利払いが減った分を財源に? それを財政ファイナンスと言うのだが
ロイターが報じている情報だが、あまりにも酷い欺瞞だと思ったのでちょっとコメントしておきたい。件の記事は以下である。 続きを読む マイナス金利で国債利払いが減った分を財源に? それを財政ファイナンスと言うのだが
ジョージ・ソロス氏がこのタイミングで現役復帰した意味
ジョージ・ソロス氏がトレーディングルームに戻っているらしい。
1992年のポンド危機におけるポンド空売りなどで知られるグローバルマクロ投資の第一人者は、最近ではヘッジファンドの第一線を退いて日々のトレーディングを部下に任せ、本人は政治活動に重点を置いていた。自分と意見の違う人間には自分の資金を任せてはいられないソロス氏の気性からして、投資を担当する部下たちとは常に投資方針を共有していたのだろうが、それでも彼が直接トレードする機会はほとんどなかったという。
しかしWSJの報道(原文英語)によれば、今年に入ってソロス氏がオフィスを訪れる回数が増え、実際にいくつかの大型の投資案件を自分で指揮したという。これは何を意味するのか?
国民投票直前、イギリス世論調査でEU離脱派が大幅リードし逆転
イギリスは本当にEU離脱を選んでしまうかもしれない。
ロイターによれば、イギリスで6月8日から9日にかけて行われた世論調査で、EU離脱支持派が55%、EU残留派が45%となり、離脱支持派が10%差の大幅リードで優勢となった。世論調査の数字は調査方法ごとに異なり、一概に比べることは出来ないが、先月までは多くの調査で残留派が優位となっていたのであり、ここまで大差で離脱が優勢となったのは初めてではないか。