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元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

長期停滞論とは、労働市場の改善のみを見て経済は安泰であるとする世界の中央銀行に対し、世界経済はより深刻な需要不足を抱えていると指摘する経済学者ラリー・サマーズ氏の仮説である。

労働市場のみを重視する従来の手法はバーナンキ氏やイエレン氏など中央銀行側に多く見られる一方で、サマーズ氏の悲観的な見方には有力なヘッジファンド・マネージャーらが同調しており、彼らはその仮説に基づいて悲観シナリオに自らの資金を賭けている。経済学の学説を巡る中央銀行とヘッジファンドの高尚な戦いが、現在の金融市場では繰り広げられているわけである。

これについてはずっと書かなければならないと思っていたが、丁度Equitable Growthのインタビュー(原文英語)でサマーズ氏自身が長期停滞論について分かりやすく説明しているので、これを紹介しておこうと思う。長期停滞が昨今の世界同時株安に繋がった仕組みなども説明されている。以下、注釈など途中で入れずに主な部分をそのまま訳して掲載する。

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ECBの量的緩和はいつ終了するのか?: ユーロ圏失業率、CPI、GDPデフレーター

2015年1月にECB(欧州中央銀行)が量的緩和を導入して以来、ユーロ圏経済は着実に回復している。量的緩和導入時の記事で、失業率に改善の余地が大いにあるユーロ圏では、労働市場が完全雇用に達している日本よりも速いスピードでインフレ率が改善すると書いたが、それにしても予想以上のスピードである。

物価指標や失業率など、ユーロ圏の各指標を分析したい。先ずはドイツの物価のグラフからである。

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ドルかポンドか?: 2015年英米マネタリーベース、GDP、失業率比較

ドルの独歩高が続いている。2月の雇用統計が力強く出たことで6月の利上げが意識され、ユーロドル、ドル円、ポンドドルはすべてドル高となっている。

強い経済、今年中の利上げと、ドルの上昇基調は疑うべくもないが、ドル高が輸出を傷つけかねない水準が近いことも確かである。しかし、主要各国はどの国も金融緩和に偏っており、とりあえずはどれかの通貨を選んで保有しなければならない投資家にとっては、ドル以外の通貨を選びにくい状況にある。

ここで英ポンドを考えたい。金融市場では米国の影に隠れて忘れられがちだが、英国も経済の回復は力強く、利上げを控え、上昇してよい通貨のはずである。最近はドルに対して大きな下落となっているが、ポンドは本当に上がらないのだろうか? 先ずはマネタリーベースから比較したい。

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ECBの量的緩和までの経緯と、金融市場の反応を2014年1月から総ざらいする

2015年1月22日にECB(欧州中央銀行)が量的緩和を発表したことにより、ユーロ圏の金融市場は新たな緩和相場で賑わっている。個人投資家にはユーロ圏の量的緩和が最近のニュースだと考えている人もいるかもしれないが、機関投資家のなかでは2013年頃から既に話題になっていた事柄であり、その頃からフォローしてきた身としては、ようやく実現したという感想である。

事実、市場が量的緩和を織り込み始めたのは2014年の1月であり、そこから債券、株式、為替など、色々なものが順番に上昇・下落してきた。金融緩和が起こるときに市場はどう反応してゆくのかという説明も兼ねて、この1年間の相場の動きを時系列順に見ていきたい。 続きを読む ECBの量的緩和までの経緯と、金融市場の反応を2014年1月から総ざらいする

失業率と保険非加入率の関係: 雇用創出の恩恵を受けるセクターはどこか

政府が失業率を抑制するために雇用創出に動くとき、恩恵を受けるセクターは様々あるが、中でもその時の流行や個人の嗜好に極力影響されずに売上を伸ばす商品は、健康保険である。下記に米国の家計所得別の健康保険非加入率のグラフを示す。

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OECDレポート: ドイツが世界2位の移住先に

OECDによれば(原文英語)、2012年のドイツへの移民の数は40万人増加し、アメリカ合衆国に次ぐ世界2位の移民受け入れ国となった。ドイツは2009年には8位であった。移民のうち30万人はEUからの移民であり、背景には、ユーロ圏の経済停滞のため、東欧や南欧から失業者が職を求めてドイツへと流れ込んでいることが考えられる。

イタリアの失業率は12%、スペインの失業率は25%で高止まりしており、堅調な回復を見せるドイツ経済の労働市場を抑圧し、これが昨今のユーロ圏の低インフレに繋がっていると想定される。

何度も指摘されているように、共通通貨としてのユーロの欠陥は、各国が各国の状況に応じた金融政策を実行できないことにあり、とりわけドイツがインフレを嫌っていることから、ECB(欧州中央銀行)の動きは後手に回らざるを得ない。来月の政策決定会合での対応が期待されるが、このような失業率の高止まりを単純な利下げで抑制することは不可能であろう。