さて、いよいよ利上げの可能性のある初めてのFOMCが行われようとしている。Fed(連邦準備制度)は米国時間9月16日と17日に政策決定会合であるFOMCを開催し、その結果を17日に発表することになる。
Fedの利上げについては長らく記事にしてきたが、9月の利上げの可能性について再び纏めておこう。個人的には可能性の高いシナリオは2つあり、可能性は五分五分であると考えている。2つのシナリオとは以下の通りである。 続きを読む 9月16日、17日のFOMCで米国は利上げするのか?
さて、いよいよ利上げの可能性のある初めてのFOMCが行われようとしている。Fed(連邦準備制度)は米国時間9月16日と17日に政策決定会合であるFOMCを開催し、その結果を17日に発表することになる。
Fedの利上げについては長らく記事にしてきたが、9月の利上げの可能性について再び纏めておこう。個人的には可能性の高いシナリオは2つあり、可能性は五分五分であると考えている。2つのシナリオとは以下の通りである。 続きを読む 9月16日、17日のFOMCで米国は利上げするのか?
2015年8月に株式市場が急落した後、市場はいまだ軟調であるが、以下の記事に紹介した通り、Fed(連邦準備制度)の姿勢は変わらず利上げに積極的である。
世界最大のヘッジファンド、Bridgewaterのレイ・ダリオ氏などは米国の量的緩和再開を期待していたようだが、そのような投資家の希望的観測が当たらないということは、ここで一貫して主張してきた通りである。上記の記事では世界同時株安後の連銀総裁たちの発言を引用したが、それらの発言通り年内利上げは既定路線だと見るべきだろう。
さて、これらの状況を踏まえて投資家は今後の戦略を考えなければならない。基本的にはここに何度も書いてきた通りなのだが、重要なポイントを纏めてみよう。
米国の利上げと中国の景気減速を原因とする世界同時株安は一度リバウンドを見せたものの、株価は再び下落し、2番目のボトムを探っている。
この後の展開がダブルボトム、トリプルボトムとなり株価が落ち着くのか、中央銀行が対応せざるを得ないほど急激に下落してゆくのか、チャートの形は分からないが、そろそろその後の展開を考える時期に来ているだろう。先ずは今回の急落を予想した2月の記事をもう一度思い出してみよう。
この記事では、利上げ前後に関する3つの可能性を挙げたが、そのうち一番可能性の高いと書いたシナリオは以下の通りである。
世界同時株安が典型的な半値戻しを達成した。下落前から底値、そして反発した現在までの指標は大雑把に以下の通りである。
リバウンドは続くのか? 個人的な見方はやや悲観的だが、投資家にとって何より重要なのは、何度も言うように、どちらに転んでも良いようにポジションを立てておくことである。
ここで推奨してきたように、急落前にS&P 500を空売りしておいた投資家、そして急落時にドル円を拾った投資家は、この急落を非常に楽しんでいることだろう。どちらに転んでも利益が出、かつ別のポジションを立てる機会が現れるからである。
米国の利上げと中国の景気停滞を原因とする世界同時株安が続いているが、米国株が高値から10%ほど売られる中、市場が短期的なリバウンドを見せるかどうかが注目される。
8月25日の市場は国によって異なる反応を見せた。先進国で一番最初に始まった日本市場は約3%安で開場し、正午にかけて前日比プラスに持ち直す場面も見られたが、再び売られ、日経平均は結局3.96%安で引けている。
量的緩和が今年始まったばかりの欧州市場は強い反発を見せ、ドイツ市場は強気のまま4.97%高で引けた。先程引けたばかりの米国市場は序盤から中盤まで強く推移したものの、最後に売られてS&P 500は1.35%安で引けている。
今回の急落では相場の動きをすべて事前に書いてしまってるので、ドル円が短期間に4円下落しても、書くことは以前の記事の焼き直しになってしまうが、一応纏めておこう。
米国時間で8月24日の朝、ニューヨーク証券取引所の取引開始直前にS&P 500先物が大きく売られ始め、それに伴いドル円が120円前後の位置から116円台まで一気に滑り落ちた。米国の株式市場の取引開始とともにS&P 500とドル円は一旦底値を付けて反発し、特にドル円は119円前後まで回復している。
米国利上げ前の世界的な株式市場急落は、ここでもずっと言及してきたことで、読者のなかに驚きはないだろうが、それでも良い銘柄まで売られている現状ではパニックになりかねないので、長期的に何が不変なトレンドで、急落のなか何を拾えばいいのかを再度纏めておこう。
円安トレンドは不変
先ず、リスクオフでどれだけ円高になろうとも、万一米国が利上げを撤回しようとも、円安は不変のトレンドである。
中国が人民元の基準値を2%切り下げたことによって各国の株式市場が下落している。切り下げの経済への影響は各国様々であるが、基本的には以下の通りである。
中国に関して一番心配されているのはドル建て債務の増加である。通貨切り下げは中国の輸出業の助けになるが、米国の利上げによる中国の債務バブル(株式バブルではない)崩壊が懸念されているなかで、ドル建ての債務が増えることが致命傷になる可能性がある。
利上げとは、自国の経済の状況に照らして中央銀行が自分の裁量で決められるものと思われがちだが、実際はそうではない。他の中央銀行の状況によって大きく左右されるのである。
事実、Fed(連邦準備制度)は利上げの必要性に迫られており、米国が株式市場や債券市場の暴落を望まない限り、実際のところFedに選択肢はない。そして中央銀行に選択肢がない状況とは、投資家が中央銀行の動きを予想できる状況であり、グローバル・マクロ戦略にとって格好の投資機会なのである。
ドル高についてはこれまで、ドル高が行き過ぎればFedは利上げを止めるどころか量的緩和を再開することもできると書いてきたが、債券投資家のグロス氏などが主張するように、どうやらFedは量的緩和の危険性に気付いているようであり、しかもその副作用を最小限に押さえるため、随分前から準備をしてきたようである。
債券投資家のビル・グロス氏がブルームバーグのインタビュー(英語)で、商品市場暴落の意味、米国の利上げとその後の金融市場について語っている。グロス氏は、世界経済に蔓延するデフレ圧力にもかかわらず、Fed(連邦準備制度)は利上げをしたがっていると指摘する。
デフレの気配がしており、CRB商品指数はもはやリーマン・ブラザーズが倒産したときよりも低くなっている。商品市場は世界経済の本当の姿を伝えてくれる。リアルタイムの需要と供給を反映しているからだ。
この論点は、奇しくもこのインタビューの一日前にここで公開した前回の記事とほとんど同じである。わたしのほうが早いので、真似をしたわけではないのだが、世界の市場を見ている投資家の考えることは皆同じということである。