金価格の上昇が止まらない。2016年1月からの世界同時株安を受け、米国が利上げできなくなる観測が市場を支配し始めたことで、米国の金融引き締めを織り込んで暴落していた金価格が急反発している。金価格の見通しを書いた記事で述べたシナリオ通りであり、個人的なトレードとしても恐らくは数年に一度の大成功である。
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2016年、日経平均の下落に影響している世界金融市場のチャートの一覧
日銀の追加緩和も虚しく、世界同時株安に引きづられてどの国の株式市場も下げているが、これらの動きは一つの国の市場だけを見て理解できるものではなく、世界の株式市場、債券市場、為替市場、商品市場が互いに影響しあった結果なのである。
しかしながら、海外の市況をチェックせずに日経平均やドル円だけを見ている日本の投資家も多いと思うので、この記事では日本の市場に影響を与える海外の市場のチャートのうち主なものを紹介してゆきたい。
2015年4Q米国実質GDP速報値は明らかな減速、ドル高で輸出は急降下、ガソリン安は消費を助けず
ドル高・原油安の悪い部分のみが全面に押し出されたGDP統計であると言えるだろう。2015年10-12月期の米国のGDP速報値が発表され、実質GDPは前年同期比(以下同じ)で1.80%の成長と、前期確報値の2.15%から減速したが、より悪いのはその内容である。以下順に内訳を見てゆきたい。
明らかに悪いのは輸出だが、その他の数値も政府支出以外は下落トレンドとなっている。個人的に注目したいのはエネルギー安にもかかわらず減速している個人消費である。
原油価格は予想通り20ドル台に突入: シェールオイル生産企業の破綻への道筋を示す決算が待たれる
米国のWTI原油価格が遂に30ドルを割った。これまで報じてきた通り、原油価格は米国のシェール革命による供給過剰で暴落しているが、原油が永遠に下がり続けるということはないので、この原油安が何処で反発するかということが投資家にとって問題となる。
債券王ビル・グロス氏も原油価格反発を予想、そして米国利上げは失敗する
Janus Capital (NYSE:JNS; Google Finance)のTwitterアカウントにて、著名債券投資家のビル・グロス氏が市場に関する新たなコメントをしているので紹介したい。
2016年アメリカ経済は減速する: 利上げとドル高の影響、エネルギー価格の推移、賃金の上昇
原油に続いて今度は2016年の米国経済全体の見通しである。
米国の利上げが始まってからも米国株はほぼ史上最高値で推移しており、日本やユーロ圏の株式も高値付近で推移しているが、これは堅調な米国経済が金融引き締めに対する投資家の不安をかき消しているからである。しかし米国経済は減速する。そうすれば米国株は最後の頼みの綱を失うことになり、日欧の株式にも影響が及ぶだろう。
そこで、今一度米国経済を取り巻く環境と、米国経済を減速させる原因について一つ一つ検証してみたい。2016年の米国経済に影響を与える要素は概ね以下の通りである。 続きを読む 2016年アメリカ経済は減速する: 利上げとドル高の影響、エネルギー価格の推移、賃金の上昇
ジム・ロジャーズ氏が利上げ後の相場を語る: 2016年のドル、株式、債券、金、原油、ハイイールド債
著名投資家のジム・ロジャーズ氏がブルームバーグのインタビュー(英語)に答えている。米国の利上げが行われた後、2016年の金融市場がどうなってゆくのかについて興味深い話をしているので取り上げたい。個人的には同意する部分もやや異議のある部分もあるが、それも含めて見てゆこう。
利上げは株式市場の終わり
先ず、利上げについてはこう答えている。 続きを読む ジム・ロジャーズ氏が利上げ後の相場を語る: 2016年のドル、株式、債券、金、原油、ハイイールド債
2016年原油価格の推移予想: 原油安はいつまで続くか? ハイイールド債暴落とシェール企業倒産の原油動向への影響
2016年の相場については話すべきことが多いが、先ずは一番重要な原油価格の見通しからである。原油価格の長期チャートは現在このようになっている。
原油価格はいずれ反発するが、個人的にはまだ底値ではないと考えている。米国ジャンク債の暴落は反発までの第一歩だが、実際に反発するまでにはまだ幾つかのプロセスを経なければならない。この記事では原油反発までのシナリオを順を追って説明してゆきたい。
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米国利上げ後の世界の金融市場チャート: 株式、債券、為替、原油、金
米国時間12月16日にFed(連邦準備制度)は遂に利上げを行った。量的緩和の縮小から停止、そして利上げへと、市場が荒れないよう十分に周知を徹底して行った金融引き締めであったが、世界の市場の反応はどうであったのか、チャートを見ながら振り返ってみたい。先ずは米国株、S&P 500からである。
米国利上げの影響でハイイールド債暴落: ジャンク債市場崩壊は原油安反発の予兆
米国が2008年の金融危機以来初めての金融引き締めに向かうにつれて米国のハイイールド債(高利回り債)が暴落している。米国のThird Avenueが運用するハイイールド債ファンドが閉鎖に追い込まれたことでニュースにもなったが、ハイイールド債下落はどのような原因で起き、市場にどのような意味を持つのかを説明したい。
以下はハイイールド債を集めたiShares High Yield Corporate Bond ETF (NYARCA:HYG; Google Finance)のチャートである。