世界最大のヘッジファンド、Bridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は、トランプ政権による減税や規制緩和で世界中の資金がアメリカに向かうとしている。
これは減税を理由にアメリカで事業を立ち上げようと思う人口の少ない日本人には分かりづらい感覚かもしれない。しかし、同じ英語圏でアメリカへの移住が現実的な選択肢となるオーストラリアでは、実際に資本と人材の流出懸念が議論されている。
世界最大のヘッジファンド、Bridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は、トランプ政権による減税や規制緩和で世界中の資金がアメリカに向かうとしている。
これは減税を理由にアメリカで事業を立ち上げようと思う人口の少ない日本人には分かりづらい感覚かもしれない。しかし、同じ英語圏でアメリカへの移住が現実的な選択肢となるオーストラリアでは、実際に資本と人材の流出懸念が議論されている。
2017年の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)はぱっとしないイベントとなった。普段ならば世界中の富豪たちがプライベートジェットで集い、シャンパンを片手に「世界の中心にいる自分達が今後どう世界を良くしてゆくか」を語らう豪奢な社交の場だったはずなのだが、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生で面目を潰された今年のダボスのエリート達の心象には何処か困惑と気まずさが見受けられた。
引き続きBrexit後のイギリス法人税関連である。
国民投票でイギリスのEU離脱が決定したことを受け、イギリスのオズボーン財務相は法人税を15%未満にする方針を発表した。Financial Times(原文英語)が報じている。現在イギリスの法人税率は20%だが、この減税が実現すればアイルランドの12.5%や、同程度の税率を提供するスイス(州によって異なる)などと並ぶ低税率国となることになる。
EU離脱を決定し、EUの押し付ける緊縮財政から開放されたイギリスは、より競争力のある法人税で企業を誘致することが可能となる。これはBrexitによりEU市場へのアクセスを失うことでイギリスの法人が他のEU加盟国に移転する可能性に対する対抗策でもある。
日本経済は本当に瀬戸際にある。アベノミクスは円安と株高で経済を持ち上げようとしたが、それは永遠に続くものではなく、金融市場が日銀に反旗を翻した途端、日本経済は失速し、それは既にGDPに表れている。これは最初から分かりきっていたことである。
ではどうすれば良いか? 批判するばかりでは芸がないから、本稿では瀕死の日本経済を少なくとも可能な限り最良な状態へ持って行くための経済政策を考えてみたい。
今回は投資そのものから少し離れ、タックスヘイブン(租税回避地)の話をしたい。
タックスヘイブンとは、課税がゼロまたは非常に低い国々のことであり、ヘッジファンドやグローバル企業などが利用することで知られている。タックスヘイブンにも国によって特徴や違いがあり、どういう場合にどの国を使うのかという点について話をしたい。
日本政府が世界の経済学者を招いて経済の現状を分析している国際金融経済分析会合だが、3月17日の第2回会合ではハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授が招かれ、日本経済への提言を行った。
第1回のスティグリッツ教授が、消費増税の反対と財政政策の拡大という、安倍首相を利するケインズ的な提言を行ったのに対し、今回のジョルゲンソン氏は財務省と経団連の御用学者のようであり、恐らくは政府が人選に曲がりなりにもバランスを取ろうとした結果なのではないかと思う。次回はクルーグマン氏であり、安倍首相よりの発言を行うだろう。
個人的な意見だが、スティグリッツ氏については政策の内容に異論はあれ、経済の現状分析については間違っていないのではないかと思う。一方でジョルゲンソン氏は政策以前の経済分析そのものにかなり疑問符が付く箇所があり、ちょっとこれはどうなのかと思ったので、取り上げて批評を加えてみたい。