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ギリシャがデフォルトとユーロ圏離脱をかけて国民投票: ドイツは金を払うべきである

欧州にとって幸か不幸か、ドイツの政治家は経済が何も分かっていなかったようである。

6月27日、ギリシャのツィプラス首相は、債権団の要求を飲むかどうかについて、7月5日に国民投票を行うと発表した。投票においてギリシャ国民が債権団の要求を拒否した場合、ギリシャは債権団の支援を受けることが出来なくなるため、実質的には服従かデフォルトかを問う国民投票である。

余りに少ないギリシャへの見返り

問題の発端は、年金制度の改革や消費増税などを盛り込んだ債権団の要求に対して、ギリシャへの見返りが今年11月までの資金繰りの支援だけであったことである。 続きを読む ギリシャがデフォルトとユーロ圏離脱をかけて国民投票: ドイツは金を払うべきである

債券王ビル・グロス氏がドイツ国債空売りに失敗した理由

2015年の4月末からユーロ圏の債券が軒並み下落したことについては前回の記事で述べたが、そのさなかに話題になったのが、著名債券投資家のビル・グロス氏の「ドイツ国債は一生に一度の売り場」発言である。

この発言は見事に的中し、発言のすぐ後、10年物のドイツ国債の利回りは0.1%から1%まで急上昇(価格は下落)したわけだが、あまりに時期ぴったりに当たりすぎたため、グロス氏自身はポジションを取り損ね、利益を得られなかったようである。彼の所属するジャナスによれば、同期間の彼の運用実績はマイナスとなっている。

わたし自身も、ドイツ国債が利回り0.1%に達したとき、割高だと考えながら空売りに踏み切らなかった一人であるから、彼の考えていたことが良く分かる。これはグロス氏だけでなく、多くの優れた投資家にとって意外なシナリオだったのである。 続きを読む 債券王ビル・グロス氏がドイツ国債空売りに失敗した理由