モンテパスキ問題に見るイタリアとドイツの軋轢

イタリアで1472年に創業された世界最古の銀行であるモンテパスキ銀行に公的資金の注入が決定された。ユーロが導入されて以来、ユーロ圏経済は不安定な状態にあり、その一番の結果はヨーロッパの銀行が抱える不良債権である。

その不良債権を多く抱えたモンテパスキは以前より破綻が指摘されていたが、ついに資金繰りが上手く行かなくなったということである。

ECB(ヨーロッパ中央銀行)の試算によれば、モンテパスキ救済には88億ユーロの資金が必要となるとされ、これはイタリアのGDPのおよそ0.5%に相当する。これがどの程度の規模かと言えば、例えば2008年の金融危機におけるバンク・オブ・アメリカの救済には当時のアメリカのGDPのおよそ0.3%に相当する公的資金が使われたから、0.5%というのは一つの銀行を救う資金としてはかなりの額である。

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レーガノミクスで減税と公共事業は高金利の悪影響に勝てなかった

アメリカのロナルド・レーガン大統領の経済政策、いわゆるレーガノミクスについて、一度纏めておく必要があるだろうと思ったので、今回の記事で取り上げておきたい。

1981年から1989年まで続いたレーガン政権は、減税と財政出動を最大限行った政権であり、しかもその8年の任期は初期の金融引き締め期とその後の金融緩和期の二つの時期に分けられる。この意味ではレーガン政権は、財政政策が景気刺激としてどれだけ機能するのか、そしてそれは金融緩和なしでも持続可能だったのかという二つの問いに対する実験を実際に行った政権であり、その実験結果は現代の投資家にとっても興味深いものと言えるだろう。

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トランプ相場: アメリカの消費者の余力を示す2つの経済指標

前回の記事で報じた通り、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は、トランプ政権がアメリカの消費者や企業の購買意欲を喚起する可能性があると指摘している。

一方で、トランプ氏が大統領選挙で勝利するまで、ヘッジファンドマネージャーらの間では先進国の需要減速は慢性的なものであるとの見方が支配的だった。

では、トランプ大統領は本当にマクロ経済的トレンドのすべてを一人でひっくり返してしまうのだろうか? この疑問に答えを出すためには、先ずアメリカの消費者には余力があるのか、そしてその余力を使う気があるのか、という二つの論題について考える必要があるだろう。

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レイ・ダリオ氏: トランプ政権は消費者や企業のアニマル・スピリットを喚起する

世界最大のヘッジファンドであるBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInに再び寄稿(原文英語)し、より踏み込んだトランプ政権の批評を行っているので取り上げたい。

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ベルリンで難民がトラックで群衆を轢き殺してもドイツ人が移民政策を支持する理由

12月19日、ドイツの首都ベルリンでパキスタン人難民申請者がトラックに乗りクリスマス市場の群衆に突撃、12名が死亡、48人程度が重症を含め負傷した。Telegraph(原文英語)などが伝えている。

容疑者は2016年2月にドイツに難民として来た23歳のパキスタン人の男性という。ドイツ警察は事件を受けて難民施設を捜索した。

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トランプ政権が超長期債発行でジャンク債は暴落する

DoubleLine Capitalの債券投資家ジェフリー・ガントラック氏がアメリカの長期金利高騰を懸念して、3%を超える事態となれば高利回りのジャンク債が暴落すると予想したことは伝えたが、2017年ジャンク債暴落にはもう一つのシナリオがある。

それが何かと言えば、トランプ政権による超長期債、つまり50年物国債などの発行である。個人投資家の読者には債券市場はあまり馴染みがないものと予想するが、トランプ相場を予測する上で債券の金利は非常に重要であるので、アメリカの債券について連日取り上げている。

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ジム・ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を1980年から振り返る

これまで何度も取り上げてきた著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、周知の通り逆張り投資家である。ブームになっている市場には目もくれず、投資家に見向きもされない市場、あるいは叩き売られている市場に投資をし続ける。

彼は1973年にジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを設立し、途方もないパフォーマンスを叩き出した後、1980年にヘッジファンドを引退、その後は世界一周などをしながら自分の資金を運用する冒険投資家となっている。

彼の逆張りの投資スタイルはその当時からのものである。今回の記事では彼の著書『商品の時代』に書かれた引退後の彼の投資に着目し、ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を紹介してゆきたい。

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ガントラック氏: 長期金利3%でジャンク債暴落、米国株も下落へ

DoubleLine Capitalを運用するジェフリー・ガントラック氏がアメリカにおける金利高の危険性について警鐘を鳴らし続けている。多くの投資家がトランプ相場による株高、金利高に沸くなかで、債券王はリスクに焦点を当てている。

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12月FOMC会合結果は利上げ決定、長期金利は危険水域へ

2016年12月14日、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利を0.25%上昇させることを決定した。11月のアメリカ大統領選挙後初の会合であり、決定は全会一致である。

利上げはそのものは事前の予想通りだったにもかかわらず、アメリカの長期金利やドル相場は激しく動いた。以下の記事で忠告しておいた通りである。

何故こういう動きになったのか、そしてこれからどうなるのか、声明文やイエレン議長の記者会見の内容などを紹介しながら説明してゆきたい。

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