イギリス労働党の党首選が非常に面白い事態となっている。タイトルの通りなのだが、順を追って説明しよう。
先ず、イギリス労働党の現党首ジェレミー・コービン氏は2015年6月6日の党首選で労働党党首に選ばれた政治家である。コービン氏はカール・マルクスへの共感を表し、大学無償化、鉄道国有化、公営住宅建設などの社会主義的政策を全面に押し出しながら緊縮財政に反対するという無謀な経済政策から当初は泡沫候補として扱われていたが、蓋を開けてみればコービン氏は約6割もの支持を集めて労働党党首に選出された。
この結果には労働党の政治家を始め多くの人が驚いたものだが、コービン氏がこれほどの圧勝であったのには理由がある。笑ってしまうのだが、その理由の一つが「労働党員のふりをして党首選に投票した保守党の支持者」なのである。