日銀は2016年9月の決定会合で金融政策の総括検証を行い、これまでマネタリーベースを増やす量を調節することで緩和の度合いを操作していたものを、これからは長期金利に目標を定めて国債の買い入れを行うことで緩和を行うという金利操作目標を導入すると発表した。
これを受けて市場はやや困惑している。発表直後には1-2円ほど円安で反応したドル円も、その時の水準から徐々に下落しつつある。
日銀は2016年9月の決定会合で金融政策の総括検証を行い、これまでマネタリーベースを増やす量を調節することで緩和の度合いを操作していたものを、これからは長期金利に目標を定めて国債の買い入れを行うことで緩和を行うという金利操作目標を導入すると発表した。
これを受けて市場はやや困惑している。発表直後には1-2円ほど円安で反応したドル円も、その時の水準から徐々に下落しつつある。
ジョージ・ソロス氏は恐らく世界でもっとも有名なヘッジファンドマネージャーである。年率30%を超えるパフォーマンスを何年も出し続けたこともあるが、グローバルマクロ投資の先駆者として、国際経済の流れに乗じて世界中の市場で買いと空売り、オプション売買を同時に行うという、現在のヘッジファンドの基本戦略となっている賭け方を恐らく世界で初めて行った人物だからである。
既に報じている通り、今月のFOMC会合ではアメリカの利上げが見送られた。リスクヘッジのために取っていた米国株の空売りポジションは会合後すぐ決済したことを伝えたが、今回の記事では原油価格見通しへの影響についても言及しておきたい。
米国時間9月21日、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、利上げの見送りを決定した。
事前にイエレン議長やフィッシャー副議長を含むFed関係者からタカ派のコメントが出ていたことから利上げの有無が注目された会合であり、カンザスシティ連銀総裁ジョージ氏、クリーブランド連銀総裁メスター氏、ボストン連銀総裁ローゼングレン氏の3人が0.25%の利上げを主張したが、イエレン議長を含む多数により否決された。前回の会合で利上げを主張したのはジョージ氏だけだったが、利上げを主張するメンバーの数が増えたことになる。
9月21日、日銀は金融政策決定会合で政策の総括検証を行い、マネタリーベースの増加目標を撤回し、短期金利のほかに長期金利の目標値を設定する長短金利操作の方針を発表した。
様々なメディアが今回の政策決定の大枠を大仰に伝えているが、日銀が今回やったことは以下のことだけである。
つまり、国債の買い入れ方を変更するということである。個人的には日銀のやることなどかなり以前から気に留めていないし、今回の変更も取るに足らないものと考えているが、この記事では一応この変更が金融市場に与える影響についてざっと考察する。
イギリスのEU離脱によってEUの欠陥に焦点が当てられて以来、EUの内部が非常に慌ただしくなっている。あらゆる手段を使ってヨーロッパ諸国の予算を支配下に収めようとした悪しき官僚主義には相応しい末路だろう。
その内紛の一つが現欧州委員長ジャン=クロード・ユンケル氏と前欧州委員長ジョゼ・マヌエル・バローゾ氏の口論である。発端は前欧州委員長のバローゾ氏がゴールドマン・サックスの幹部に就任すると発表したことに対し、現欧州委員長のユンケル氏が、EUに厳しい目が向けられている時期にそのようなあからさまな天下りは慎むべきだと非難したことに始まる。ロイター(原文英語)が状況を詳しく伝えているので、以下に紹介してゆきたい。
利上げの有無にかかわらずである。ドル円などにポジションがある読者にはいくらか有用な記事となるだろう。
世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運営するファンドマネージャー、レイ・ダリオ氏がCNBCの主催するDelivering Alpha会議(原文英語)でアメリカの利上げと世界経済に残された金融緩和の手段について語っている。世界中の投資家が米国利上げの影響と金融政策の先行きについて注目する中で発せられたダリオ氏の意見は、多くの投資家にとって傾聴に値するだろう。
共和党の大統領選候補ドナルド・トランプ氏がCNBCのインタビュー(原文英語)にてアメリカの金融政策を担うFed(連邦準備制度)を攻撃している。
利上げを支持するFed(連邦準備制度)高官らの発言にもかかわらず史上最高値付近を維持していた米国の株式市場が急落した。契機となったイベントは特に見当たらず、連銀総裁らは相変わらずアメリカ経済に強気の発言を繰り返してはいたが、フィッシャー副議長の「イエレン議長の発言は今年中に2度利上げする可能性に整合的」以上に強気の発言が新たに出たわけでもない。
それでも量的緩和とその後の利上げ懸念後退によって長年支えられてきたアメリカの株式市場は、利上げが今後も継続するのであれば暴落せざるを得ない。2016年中に1回の利上げであっても株価が史上最高値付近で推移していられるほど呑気な状況でもないはずであり、ある程度の急落は当然といったところだろう。