債券王ビル・グロス氏が商品市場暴落と米国利上げを語る

債券投資家のビル・グロス氏がブルームバーグのインタビュー(英語)で、商品市場暴落の意味、米国の利上げとその後の金融市場について語っている。グロス氏は、世界経済に蔓延するデフレ圧力にもかかわらず、Fed(連邦準備制度)は利上げをしたがっていると指摘する。

デフレの気配がしており、CRB商品指数はもはやリーマン・ブラザーズが倒産したときよりも低くなっている。商品市場は世界経済の本当の姿を伝えてくれる。リアルタイムの需要と供給を反映しているからだ。

この論点は、奇しくもこのインタビューの一日前にここで公開した前回の記事とほとんど同じである。わたしのほうが早いので、真似をしたわけではないのだが、世界の市場を見ている投資家の考えることは皆同じということである。

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2015年商品市場大暴落の原因と影響: 金、原油、天然ガス、銅、鉄鉱石

コモディティ市場の下落が止まらない。米国の利上げが近いことによるドル高と、中国の景気減退懸念と言えばもっともらしいが、以下の2つの点で強い違和感がある。

  • 量的緩和を行っている円やユーロで見ても大幅な下落である
  • 米国の量的緩和前の水準まで下落してきている

米国は確かに大規模な量的緩和を停止したが、米国は買い入れた債券を放出しておらず、まだ利上げもしていないのである。

この時点でもし日本とユーロ圏が量的緩和を停止すれば商品価格は更なる暴落を迎えそうであり、そうなれば世界中で量的緩和を行ったらデフレになったなどということになりかねない。非常に奇妙な事態が起きているのであり、投資家は合理的な説明を考える必要がある。

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2015年2Q米国GDP: 全体的に弱まるも9月の利上げは正当化する内容

2015年4-6月期の米国実質GDP速報値は前年同期比2.32%となり、前期の2.88%から減速した。経済成長が全体的に弱まっているが、絶対値として見れば2%以上であり、Fed(連邦準備制度)が利上げをする口実としては十分であることも確かである。

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明らかに弱いのは投資と輸出だが、驚くべきことに輸入まで減速している。個人消費も弱まっており、輸入とともに内需の弱さを示していると言える。内訳を見よう。

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