ユーロ問題の経済的背景については何度も書いてきたから、今回はその文化的背景について書いておこうと思う。メインテーマはドイツの外交的・歴史的立場についてである。
ヨーロッパ文化におけるドイツ
古来よりヨーロッパ文化の中心はイタリアであり、フランスであり、イギリスであった。ヨーロッパの料理はイタリアを起源とするものであり、フランス人がそれを継承してイギリスの宮廷に持ち込んだ。ドイツやオーストリアでも、宮廷ではフランス料理が振る舞われた。
音楽ではモーツァルト、ベートーヴェンの時代においてもイタリアのオペラが尊敬されていた。モーツァルトのオペラにイタリア語のものとドイツ語のものがあるのは、彼の時代においても、ドイツ語は歌謡としてはあまりに粗野であるという認識が、ドイツ語圏の宮廷内にあったためである。 続きを読む ユーロ問題の文化的背景: ドイツの外交音痴が治らない限りユーロ圏はギリシャ問題を何度でも繰り返す