「株式個別銘柄」カテゴリーアーカイブ

ECBが量的緩和を発表、買うべき銘柄は何か?

1月22日にECB(欧州中央銀行)がマネタリーベースを2倍にする量的緩和を発表した。詳細は上記の記事で見ることができるが、とりあえずは欧州市場のみならず米国市場でも、株式・債券ともに好感した形となった。市場の上昇が短期的にどれだけ続くかは分からないが、分かっていることはユーロ圏の低金利が続くということ、そしてその間ユーロ安・ドル高が維持されるということである。

大手の不動産株などは、既にこれらの要素を織り込み始めている。長らく紹介してきたパリの不動産会社Gecina (EURONEXT:GFC)は、量的緩和を受けて連日上昇し、紹介時の株価€97から17%上昇した。€118程度まで上がれば徐々に利益を確定していって良いだろう。

このように既に上がってしまった銘柄もあるが、不動産株や輸出株などの中には、これからでも買える銘柄がまだ存在する。今日はそのような銘柄の中から2つを紹介したい。 続きを読む ECBが量的緩和を発表、買うべき銘柄は何か?

全般的に割高な米国株、2015年からでも買える銘柄は何か?

サブプライム・ローン危機により世界の株式市場が暴落してから5年間、米国の経済はほかの先進国に先立って回復し、米国株はこれまで著しい上昇を見せてきた。その上昇はかなりの部分、FRB(連邦準備制度)の量的緩和に支えられていて、少し前までは投資家もそれを自覚していたはずなのだが、最近ではそれをすっかり忘れてしまったようである。

したがって、上記の記事では著名ファンドマネージャーがどのような銘柄を空売りしているのかを紹介した。しかし、流動性縮小という需給要因を別にすれば、米国の更なる景気回復は原油安にも助けられ、疑いのないものになりつつある。では、既に上昇してしまった米国の株式市場ではどのような銘柄を買うことができるだろうか? 下記に有望なものをいくつか紹介したい。 続きを読む 全般的に割高な米国株、2015年からでも買える銘柄は何か?

年明けからの市場急落、何を買い下がるべきか?

年明けから不安定な相場が続いており、S&P 500は節目の2,000を割れ、ドル円は116円台で推移している。原油は一時45ドルを下回った。何よりも注目すべきは、ボラティリティがあらゆる市場で上昇していることである。

上記の記事で述べた通り、とりわけ株式市場はFRB(連邦準備制度)の量的緩和の終了と利上げという未曾有の金融引き締めをほとんど織り込まずにここまで来ている。織り込みが遅れている要因には日欧の金融緩和があるが、今年中に実際に利上げが始まる可能性が高いことを考慮すると、低金利により債券から株式へと移っていた資金の株式市場からの逆流は、今年か来年には起こる可能性が高い。 続きを読む 年明けからの市場急落、何を買い下がるべきか?

平和不動産 (TYO:8803)は半分を利益確定、あとは不動産市場の成り行きを見守る

5月4日に推奨した平和不動産 (TYO:8803)について、前回の記事で説明した日本の不動産市場の展望の変化に基づき、25日の始値でポジションの半分を利益確定する。残り半分のポジションについては、オフィス空室率などの指標を見ながら決済のタイミングを探ってゆく。決済内容は下記の通り。

投資戦略: ロング

フォロー開始時株価: ¥1568

決済数量: 50%

決済時株価: ¥1880

決済分確定損益: 19.9%

フォロー終了: ワコム (TYO:6727)

ワコム (TYO:6727)のフォローを一旦終了する。理由は二つあり、短期的な利益をかなり毀損する決算にもかかわらず、株価が決算後の急落時以上の水準に回復していることと、IDCがタブレット型コンピュータの出荷台数予測を下方修正したこと(ビジネスワイヤ、原文英語)である。株価が短期的にも長期的にも割安な水準となった場合や、業績回復により直接的な材料が出た場合、フォローを再開する場合がある。投資結果は以下の通り。

投資戦略: ロング

フォロー開始時株価: ¥514

フォロー終了時株価: ¥494

リターン: -3.89%

 

フォローアップ: FCC (BM:FCC)、ワコム (TYO:6727)

以前紹介した銘柄のフォローアップである。

前回の記事で文句なしの買い場と書いた時点から13%程度の上昇。ECBの追加緩和もあり住宅市場に再び希望が持たれている。€16程度で取引されていた時点よりもECBがかなりハト派に傾いたことを考えると、まだ割安と見るべきだろう。しかし欧州の問題が解決するためには時間がかかるとということを念頭に置いた、長期間の株価変動に耐えられるポジションの規模に留めたいことは一貫して同じである。 続きを読む フォローアップ: FCC (BM:FCC)、ワコム (TYO:6727)

フォロー終了: CNNC International (HK:2302)

短期的に上がり過ぎと見られる急騰のあと出来高が止まったため、長期投資銘柄ではあるが、CNNC International (HK:2302)のフォローを一旦終了する。魅力的な価格に戻った場合フォローを再開する場合がある。投資結果は以下の通り。

投資戦略: ロング

フォロー開始時株価: 2.2香港ドル

フォロー終了時株価: 3.48香港ドル

リターン: +58.18%

以前の記事における利益確定示唆に従った場合、リターンはやや上昇する。

欧州市場に関するショートアップデート (FCC、Easyjet)

ロシアがウクライナ国境付近に兵を進めていることで欧州市場が荒れている。また、欧州委員長に指名されたユンケル氏から南欧諸国が譲歩を引き出せそうにないとの観測から、紹介したスペインの建築会社FCC (BM:FCC)や保険会社のMapfre (BM:MAP)などが軒並み下落している。 続きを読む 欧州市場に関するショートアップデート (FCC、Easyjet)

CNNC International (HK:2302)に関するショートアップデート

日本の原発の再稼働に関する報道と、貴州省で親会社が原発2箇所を建設するとの報道を受けて連日の高騰。紹介時のレンジから60%以上上昇し3.6香港ドル。長期的には問題ない株価だが、短期的な上がり過ぎを懸念する投資家は一部を利益確定しても良いだろう。親会社の新規上場による資金調達もあり、中国の原発業界は更なる発展が期待される。

ワコム (TYO:6727)に関するショートアップデート

30日の後場終了後、ワコム (TYO:6727)の決算が発表された。予想通り芳しくない決算であった。同時に業績予想が修正され、今期の売上高は-14.5%、純利益は-46.9%の下方修正が発表された。

今日の取引が始まるまでに詳細な分析を載せる時間がないが、この決算と業績予想修正はワコムの長期的成長を否定するものではないことと、しかしながら利益が大幅に毀損されているため、短期的には買い方にかなり厳しい状況が続くだろうということだけ書いておきたい。後ほど詳細な分析を掲載する。