「米国の株式市場」カテゴリーアーカイブ

ジム・ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を1980年から振り返る

これまで何度も取り上げてきた著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、周知の通り逆張り投資家である。ブームになっている市場には目もくれず、投資家に見向きもされない市場、あるいは叩き売られている市場に投資をし続ける。

彼は1973年にジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを設立し、途方もないパフォーマンスを叩き出した後、1980年にヘッジファンドを引退、その後は世界一周などをしながら自分の資金を運用する冒険投資家となっている。

彼の逆張りの投資スタイルはその当時からのものである。今回の記事では彼の著書『商品の時代』に書かれた引退後の彼の投資に着目し、ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を紹介してゆきたい。

続きを読む ジム・ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を1980年から振り返る

12月FOMC会合結果は利上げ決定、長期金利は危険水域へ

2016年12月14日、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利を0.25%上昇させることを決定した。11月のアメリカ大統領選挙後初の会合であり、決定は全会一致である。

利上げはそのものは事前の予想通りだったにもかかわらず、アメリカの長期金利やドル相場は激しく動いた。以下の記事で忠告しておいた通りである。

何故こういう動きになったのか、そしてこれからどうなるのか、声明文やイエレン議長の記者会見の内容などを紹介しながら説明してゆきたい。

続きを読む 12月FOMC会合結果は利上げ決定、長期金利は危険水域へ

トランプ相場で株価高騰、量的緩和バブルはいつ崩壊するのか?

アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、株式市場は大いに好況である。ドル円が上昇しているため日本株が上がるのは当然だが、金利が上がっているアメリカでさえも株価は史上最高値を更新している。

しかし2008年の金融危機以来、株式市場は中央銀行がお金を刷ること、つまり量的緩和によって支えられてきたのであり、低金利が株価を支えてきたのである。したがって金利が上がれば株価を支えてきた要因がなくなり、株価バブルは崩壊せざるを得ない、というのがヘッジファンド業界での大方の見方であった。

続きを読む トランプ相場で株価高騰、量的緩和バブルはいつ崩壊するのか?

トランプ相場で刑務所株が大暴騰

2016年アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、アメリカの株式市場では様々な銘柄が値上がりしている。トランプ氏の経済アドバイザーであるジョン・ポールソン氏やカール・アイカーン氏の投資戦略については以前お伝えした。

新たな政権に移行する時には新たな政策によって様々な銘柄が値上がりするものであり、ファンドマネージャーたちは様々な方法で利益を得るわけだが、Elliott Management創業者のポール・シンガー氏は一風変わった銘柄で一儲けしたようである。それは刑務所株である。

続きを読む トランプ相場で刑務所株が大暴騰

ビル・グロス氏: トランプ大統領は低金利政策を継続する

債券投資家のビル・グロス氏がドナルド・トランプ大統領以後のアメリカの金融政策について語っている。大統領選挙後、アメリカの長期金利は上昇し、その結果ドルは上昇しているが、いわば金利の専門家であるグロス氏はそうした動きに懐疑的な意見を表明している。

続きを読む ビル・グロス氏: トランプ大統領は低金利政策を継続する

ガントラック氏: ドルは下落する、金利上昇は限界、金価格は短期的に上昇する

Reuters(原文英語)の伝えるところによれば、新債券王と呼ばれるDoubleLine Capitalのジェフリー・ガントラック氏が再びトランプ相場への警鐘を鳴らしている。彼によれば、トランプ相場は「勢いを失っている」とし、金利低下に賭けるポジションを開始したことを明らかにした。

続きを読む ガントラック氏: ドルは下落する、金利上昇は限界、金価格は短期的に上昇する

トランプ相場: アメリカの長期金利は高いのか低いのか?

アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、世界の金融市場は以前とは全く異なる動きを見せているが、そのなかでもっとも重要なのが高騰したアメリカの長期金利である。為替も株も金利を見て動くからである。

長期金利とは10年物国債の金利のことであり、その数値は今後10年の米国経済の成長率とインフレ率について市場がどう予想しているのかを示すものである。また、住宅や自動車のローンの金利などにも影響を与えるために実体経済にとっても重要であり、そして何より、これまで低金利が支えてきた株式市場が低金利なしでどれだけ保つのかという問題もある。

そうしたことを考えるためには、長期金利がどの水準ならば高すぎ、どの水準ならばそうではないのかということを明確にする必要がある。したがってこの記事では、米国経済の成長率とインフレ率を考えたときに長期金利はどの水準であるべきなのかについて考察してみたい。

続きを読む トランプ相場: アメリカの長期金利は高いのか低いのか?

トランプ氏勝利後の世界の金融市場チャート一覧

アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選してから世界の金融市場は大きく変化した。アメリカの政治的転換の影響を受けて、株価も金利も為替も目覚ましい動きをしている。

トランプ政権の経済政策についてはまだ詳細が明らかになっているわけではないが、投資家にとって現状の市場の反応を幅広く把握しておくことは重要だろう。よって一度、米国株や金利、ドルの動きなどの基本的なところから、メキシコなど新興国の為替、ヨーロッパや中国の市場まで、一度包括的に取り上げてみたい。

続きを読む トランプ氏勝利後の世界の金融市場チャート一覧

世界最大のヘッジファンド: 長期停滞と低金利とグローバリズムはすべて終わった

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ氏がついにアメリカ大統領選挙におけるトランプ氏勝利後の世界経済について語り始めた。大統領選後の金融市場については、これまでジム・ロジャーズ氏など様々な投資家の意見を紹介してきたが、そのなかで個人的にもっとも信頼するのがこのダリオ氏である。

そしてそのダリオ氏が、先進国経済の長期停滞、そして低金利の時代が終わったと言っている。正直に言えば結構驚いたが、耳を傾けない訳にはゆかないだろう。

続きを読む 世界最大のヘッジファンド: 長期停滞と低金利とグローバリズムはすべて終わった

ガントラック氏: 金利上昇、株高に賭けるのはもう遅い

引き続き、アメリカ大統領選挙におけるトランプ氏当選後の金融相場について、著名投資家の意見を聞いてゆく。今回はダブルライン・キャピタルを率いる債券投資家ジェフリー・ガントラック氏である。これまでジム・ロジャーズ氏やスタンレー・ドラッケンミラー氏などの意見を紹介してきたが、個人的にはガントラック氏の意見により共感を覚える。

続きを読む ガントラック氏: 金利上昇、株高に賭けるのはもう遅い