アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、世界の金融市場は以前とは全く異なる動きを見せているが、そのなかでもっとも重要なのが高騰したアメリカの長期金利である。為替も株も金利を見て動くからである。
長期金利とは10年物国債の金利のことであり、その数値は今後10年の米国経済の成長率とインフレ率について市場がどう予想しているのかを示すものである。また、住宅や自動車のローンの金利などにも影響を与えるために実体経済にとっても重要であり、そして何より、これまで低金利が支えてきた株式市場が低金利なしでどれだけ保つのかという問題もある。
そうしたことを考えるためには、長期金利がどの水準ならば高すぎ、どの水準ならばそうではないのかということを明確にする必要がある。したがってこの記事では、米国経済の成長率とインフレ率を考えたときに長期金利はどの水準であるべきなのかについて考察してみたい。