「株式市場」カテゴリーアーカイブ

消費増税の悪影響は金融緩和、財政出動ではフォロー不可能

今月17日に発表された日本のGDPは2期連続でマイナス成長となり、景気後退入りが確認された。一般の報道では「アベノミクスでも拭えないデフレの悪影響」であるかのように報じられているが、景気後退の原因は4月に行われた消費増税である。より悪いことに、消費増税による悪影響は現状の金融・財政政策では拭いがたいものであり、量的緩和・財政出動以外の政策が求められる。まずはGDPの内訳を確認してゆきたい。

Screen Shot 2014-11-24 at 06.39.03 続きを読む 消費増税の悪影響は金融緩和、財政出動ではフォロー不可能

過熱するロンドンの住宅価格: イングランド銀行副総裁「中銀にできることはない」

ロンドンの住宅市場が加熱している。その事実自体はニュースではなく、ロンドン市民は毎年値上がりする家賃に長らく不満を抱いてきたが、状況が改善する兆しは見られない。下記はイギリス全土と大ロンドン市の住宅価格の年次変化率である。

rightmove-house-price-average 続きを読む 過熱するロンドンの住宅価格: イングランド銀行副総裁「中銀にできることはない」

EU首脳会議はユンケル氏を欧州委員長に指名、安定成長協定の柔軟運用も確認

26-27日に開かれたEU首脳会議では、大方の予想通り元ルクセンブルク首相のユンケル氏が欧州委員長として指名された。欧州理事会によって指名された候補は欧州議会によって承認される見通し。また、イタリアのレンツィ首相の主導により、EU加盟国の財政赤字を制限する「安定成長協定」の柔軟な運用が議論され、財政赤字がGDP比で3%以内の国に対して財政再建を猶予する規定の積極利用が確認された。順にこれらの決定をレビューする。 続きを読む EU首脳会議はユンケル氏を欧州委員長に指名、安定成長協定の柔軟運用も確認

EU首脳会議前夜: 欧州の建設株は結果待ちで調整入り

26-27日にブリュッセルでEU首脳会談が開かれるが、次期欧州委員長は元ルクセンブルク首相のユンケル氏で決まりそうである。英キャメロン首相の反対工作は奏功せず、フランスやイタリアは緊縮規定の機動的運用を条件に支持をする意向で、イギリスに追従してユンケル氏に反対しているのは、ハンガリーのオルバーン首相くらいである。 続きを読む EU首脳会議前夜: 欧州の建設株は結果待ちで調整入り

欧州委員長人事で英キャメロン首相が孤立、伊レンツィ首相は英国を踏み台に緊縮緩和を要求

次期欧州委員長の人事で英国のキャメロン首相が孤立している。キャメロン首相はドイツが推薦する元ルクセンブルク首相のユンケル氏の欧州委員長就任に強く反対し、彼が欧州委員長となった場合、英国はEU離脱の可能性もあるとしてドイツと交渉を続けてきたが、こうした状況を見たイタリアのレンツィ首相は「経済成長と雇用創出を重視する考えがあるならば、人物自体は誰でもよい」として、ユンケル氏が緊縮財政の緩和について譲歩する場合、彼を支持する用意がある考えを示した。イギリスが勇み足でEU離脱という最後のカードをちらつかせた状況を利用して、より穏やかな譲歩案を提示した形となる。 続きを読む 欧州委員長人事で英キャメロン首相が孤立、伊レンツィ首相は英国を踏み台に緊縮緩和を要求

失業率と保険非加入率の関係: 雇用創出の恩恵を受けるセクターはどこか

政府が失業率を抑制するために雇用創出に動くとき、恩恵を受けるセクターは様々あるが、中でもその時の流行や個人の嗜好に極力影響されずに売上を伸ばす商品は、健康保険である。下記に米国の家計所得別の健康保険非加入率のグラフを示す。

us-uninsured-rate-by-family-income 続きを読む 失業率と保険非加入率の関係: 雇用創出の恩恵を受けるセクターはどこか

ECBの会合前に見るユーロ、ドイツ国債、不動産株

日本時間で5日の20時45分からECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合が予定されている。この会合は、前回の会合でドラギ総裁が金融緩和の可能性に言及したことで非常に注目されている。 続きを読む ECBの会合前に見るユーロ、ドイツ国債、不動産株

欧州議会選挙における反EU派の躍進でユーロ圏は真の経済回復へ

22日から25日にかけて実施された欧州議会選挙では、EUの推し進める財政緊縮策への反発から、フランスの「国民戦線」など反EU派の政党が多く議席を獲得した。これを受けて、ドイツのメルケル首相は加盟国が成長路線を取ることを容認する見解を示した。これは長らく望まれていた、ユーロ圏の真の経済回復への第一歩である。 続きを読む 欧州議会選挙における反EU派の躍進でユーロ圏は真の経済回復へ

海外勢の目線から見る2014年の日本株

日経平均は2013年末に16,000円台の高値を記録したのち急落し、その後は移動平均線を下向かせながら14,000円台を推移している。この現状とその後の展開を考察するためには、この相場が海外の機関投資家に先導されて上昇したものであることを思い出す必要がある。 続きを読む 海外勢の目線から見る2014年の日本株