2016年も半ばに差し掛かっているが、この辺りで著名ファンドマネージャーたちの2016年相場見通しを振り返り、どれだけ当たっているかを採点してみようと思う。
ここでも随時取り上げてきた通り、年末から年始に掛けて、様々な著名投資家が2016年の金融市場を占っていたわけだが、その後の相場の推移はどうなっただろうか? ジョージ・ソロス氏やジム・ロジャーズ氏など、著名人の予想の結果を見てゆきたい。
2016年も半ばに差し掛かっているが、この辺りで著名ファンドマネージャーたちの2016年相場見通しを振り返り、どれだけ当たっているかを採点してみようと思う。
ここでも随時取り上げてきた通り、年末から年始に掛けて、様々な著名投資家が2016年の金融市場を占っていたわけだが、その後の相場の推移はどうなっただろうか? ジョージ・ソロス氏やジム・ロジャーズ氏など、著名人の予想の結果を見てゆきたい。
2016年、米国は利上げを行おうとしている。アメリカ経済は減速しているが、食品とエネルギー価格を除いたコアCPI(消費者物価指数)は上昇に転じており、このインフレのトレンドが長期的なものであれば、Fed(連邦準備制度)は経済の減速にもかかわらず、利上げを強行する必要に迫られる可能性がある。
そこでこの記事では一度、アメリカのインフレ率の現状とその展望、想定される利上げの時期や回数、そして利上げとインフレ率が株価やドル、金価格などに及ぼす影響を論じてみたいと思う。
2016年1月のダボス会議でのジョージ・ソロス氏のインタビューについては既に報じているが、過去の記事に取り上げなかった部分で今後の世界経済の見通しを占うために重要だと思う箇所があったので、再度取り上げたい。以下は1月の記事である。
現在、金融市場は分岐点にいる。世界同時株安の後、米国株は持ち直し、中国バブル崩壊への市場の懸念も後退した。アメリカのインフレ率はエネルギー価格を除けば上昇している。このまますべてが上手く行くのだろうか? 利上げは順調に進むのだろうか? 投資家は判断を下さなければならないが、ソロス氏のアメリカ経済に対する見通しは非常に悲観的である。
日本の株価の下落が止まらない。理由が何かと聞かれれば、日本経済にネガティブな要因があり過ぎてどれから説明すべきかと言ったところであるし、株安はいつまで続くのかと聞かれれば、少なくとも状況を打開できそうな政策は存在していないと答えるだろう。
ここの読者であれば日本株を買い持ちにしている訳はないだろうから心配はないのだが、以下のように日本株安の要因を順に並べてみれば、むしろ日経平均を空売りしていなかったことを反省するべきなのかもしれない。いずれにせよ日本株を買うべき要因など何もないのである。
2016年、金融市場は転換点にある。先進国は量的緩和やマイナス金利などの金融政策を総動員したものの、まともな景気回復はどの国でも見られていない。
こうした状況で各国の中銀は限られた追加緩和を出し切ってゆくのだろうが、その結果株式市場や長期金利がどうなってゆくかを考えるために一番重要な指標は物価指数である。したがってこの記事では日本の物価の見通しについて議論したい。
そう言ってしまって良いだろう。日本政府は量的緩和が政府の借金を肩代わりしている事実を金融緩和の目的の一つとしてはっきりと認識している。そしてそれは日銀が量的緩和を当分止められない事実を示している。
問題の安倍首相の発言は、国際金融経済分析会合に呼ばれたクルーグマン氏とのオフレコの対話内容に含まれていたものであり、オフレコの議事録が何故表に出てきたかと言えば、クルーグマン氏がインターネット上で公開したから(原文英語)である。余程日本政府のもてなしに礼を欠いた部分でもあったのか。
日本政府は多少慌てているようであるが、直接的な発言は含まれていなかったので大丈夫だろうと踏んでいるようであるので、わたしが代わりに対話内容に暗示されている日本政府の意図を分かりやすく説明して公開しようというわけである。財政ファイナンスに関する部分以外も順に書いてゆく。
消費税が5%から8%へ増税された2014年4月以来、日本経済は死んでいる。現状では特に個人消費がマイナス成長と瀕死である。
わたしは投資家として日本のGDPを毎四半期分析してきたが、経済成長率という一点に絞って言えば、アベノミクスは消費増税を行うまで成功していた。増税直前のGDP成長率は2.36%であり、増税がなければもっと上がっていただろう。
今回の論点は2017年4月の10%への消費再増税であり、これが見送られる場合と強行される場合で日本経済にどのような影響が出るかを考えてみたい。
2016年の世界経済については様々議論してきたが、今回は著名ファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏の再帰理論を使って米国経済の現状を分析してみたいと思う。
日本政府が世界の経済学者を招いて経済の現状を分析している国際金融経済分析会合だが、3月17日の第2回会合ではハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授が招かれ、日本経済への提言を行った。
第1回のスティグリッツ教授が、消費増税の反対と財政政策の拡大という、安倍首相を利するケインズ的な提言を行ったのに対し、今回のジョルゲンソン氏は財務省と経団連の御用学者のようであり、恐らくは政府が人選に曲がりなりにもバランスを取ろうとした結果なのではないかと思う。次回はクルーグマン氏であり、安倍首相よりの発言を行うだろう。
個人的な意見だが、スティグリッツ氏については政策の内容に異論はあれ、経済の現状分析については間違っていないのではないかと思う。一方でジョルゲンソン氏は政策以前の経済分析そのものにかなり疑問符が付く箇所があり、ちょっとこれはどうなのかと思ったので、取り上げて批評を加えてみたい。
3月15日から16日まで行われた米国FOMCの金融政策決定会合では、政策金利の維持が決定された。決定は満場一致ではなく、カンザスシティ連銀総裁のジョージ氏が0.25%の利上げを主張したが否決された。ジョージ氏はタカ派で知られる。
発表された声明は下記の記事で取り上げた1月のものとあまり変わっていないが、原油価格や株式市場が反発したにもかかわらず、「世界経済と金融市場の動向は引き続きリスクとなっている」との表現を記載し、1月に引き続き市場への配慮を示した。
現在の市場の回復を考えれば、個人的にはFed(連邦準備制度)はもっとタカ派になって良いと考えていたので、その予測からすれば今回の発表はハト派ということになるだろうか。市場もそのように受け取ったようであり、ドルが下落、金価格などが上昇している。順にチャートを見てゆこう。