「株式市場」カテゴリーアーカイブ

2016年アメリカ利上げで米国REITはどうなるか?

2015年12月に一度目の利上げを行って以来、Fed(連邦準備制度)は金利正常化を継続しようとしている。多くのファンドマネージャーらが金融緩和への逆戻りを予想しているが、それでも2016年内に一度か二度の利上げは可能性があると見るべきだろう。

利上げをしたとしてもいずれは利下げに逆戻りすることになるのだが、しかしそれでも一時的な金融引き締めは想定しておくべきである。現在、金利先物市場では年内に一度の利上げ織り込んでいるから、利上げが二度行われればそれはサプライズとなり、ドルは強含み、長期金利は上昇する可能性がある。

続きを読む 2016年アメリカ利上げで米国REITはどうなるか?

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る

日本の個人投資家で南海泡沫事件を知っている人はどれくらい居るだろうか。金融関係者には常識だが、個人投資家の間ではどうだろう。名前くらいは聞いたことがあるかもしれないが、それがどのような金融バブルであったかを把握している人はあまりいないのではないか。

そこで今回の記事では、この歴史的な株式バブルとその崩壊について、順を追って説明してみたい。南海泡沫事件の面白いところは、同じ種類のバブルが形を変えて実際に現代でも繰り返されているということである。

続きを読む 南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る

ジム・ロジャーズ氏: リーマンショック以上の市場暴落が来る、中央銀行は廃止すべき

著名投資家のジム・ロジャーズ氏がRTのインタビュー(原文英語)で、2016年の世界経済の動向について語っている。

ロジャーズ氏によれば、中央銀行の量的緩和が支えている金融バブルにはいずれ終わりが訪れ、そのバブルが破裂するときには2008年のサブプライムローン危機よりも酷い事態になるだろうと予言している。その理由は世界中で積み上がった負債とマネタリーベースである。

続きを読む ジム・ロジャーズ氏: リーマンショック以上の市場暴落が来る、中央銀行は廃止すべき

2016年第1四半期米国GDP内訳: 緩やかな減速継続、ドル安を肯定

2016年1-3月期の米国のGDP速報が発表され、実質GDP成長率は1.95%(前年同期比、以下同じ)となり、前回の確報値1.98%からやや減速した。2015年中盤は2%を上回って推移していたから、量的緩和を停止して以来減速傾向が継続していることになる。

2016-1q-us-real-gdp-growth

内容は順に見てゆくが、象徴的であるのは全般的に弱いなかで住宅投資のみが堅調であることである。低金利によるバブルがアメリカ経済を支えているということである。

続きを読む 2016年第1四半期米国GDP内訳: 緩やかな減速継続、ドル安を肯定

4月28日日銀決定会合結果: 追加緩和見送りで円高株安となった理由

4月27日から28日にかけて、日本銀行は金融政策決定会合を開催し、量的緩和やマイナス金利など金融緩和の現状維持を決定した。これを受けて株式市場とドル円が急激に下落する反応を見せており、これははっきり言って意外であった。日銀のやることなどもう誰も気にしていないと思っていたからである。

この動きはいくつかのことを示唆しているが、先ずは金融市場の動向から見てゆこう。先ずはドル円のチャートである。

2016-4-28-usdjpy-chart

続きを読む 4月28日日銀決定会合結果: 追加緩和見送りで円高株安となった理由

4月FOMC会合結果速報: 利上げ見送り、声明文はプロの仕事ではない

4月26日から27日に米国のFed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を開催し、金融政策の維持、利上げの見送りを決定した。決定は満場一致ではなく、前回同様カンザスシティ連銀総裁のジョージ総裁が0.25%の利上げを主張した。

同時に発表された声明文の内容はいたって平易であり、差し障りの無い内容であるが、一応前回から変更された箇所を見てゆこう。

続きを読む 4月FOMC会合結果速報: 利上げ見送り、声明文はプロの仕事ではない

2016年、アメリカの利上げで日経平均を空売りする

その絶好の機会が来るかもしれない。理由を順に説明してゆきたい。

先ず、読者には周知の通り、わたしは最近株式市場のポジションをすべて利益確定し精算した。これらは基本的に米国株を対象としたポジションであった。

その米国株は岐路に立っている。Fed(連邦準備制度)は利上げを躊躇っており、利上げ回数の見通しを引き下げた。アメリカの株式市場はこれを好意的に受け止め、世界同時株安から回復、史上最高値付近で推移している。

続きを読む 2016年、アメリカの利上げで日経平均を空売りする

2016年、日銀に残された追加緩和の手段とその影響を議論する

黒田総裁は表面上平静を保っているが、2015年末より明らかに日銀の金融緩和が市場に効いていない。このことについては以前より報じている通りである。

では日銀はもう効果的な追加緩和が出来ないのか? そうかもしれない。しかし効く効かないにかかわらず、手段が完全に枯渇したわけではない。この記事では可能性のあるあらゆる追加緩和の手段について網羅し、金融市場や経済への影響を考察したい。

続きを読む 2016年、日銀に残された追加緩和の手段とその影響を議論する

ジョージ・ソロス氏が中国の不動産バブル崩壊を説明する

著名ファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏がニューヨークのイベントで中国の不動産バブルについて話したようである。Bloomberg(原文英語)が伝えている。

ソロス氏と言えば、2016年1月にダボスで「中国経済のハードランディングは実質的に不可避」と述べて中国政府を激怒させていたが、気にも留めていないのだろう。

利害関係に縛られた政治家や企業家とは違い、市場だけを相手にすればいい投資家は言論の自由を謳歌している。ソロス氏の議論を順に見てゆこう。

続きを読む ジョージ・ソロス氏が中国の不動産バブル崩壊を説明する

株式市場の全ポジションを決済し利益確定、コモディティ市場に注力

株式市場の全ポジションを一旦閉じることにする。これまでにも言及してきたが、米国株と米国の金融政策を巡る状況が予定よりも早く次の段階へ進みつつあるからである。先ずは2015年11月に立てた2016年の投資戦略を振り返ってみたい。

この記事に書いた2016年の米国株の見通しは、10%から30%程度の急落は起こりうるが、バブルの完全な崩壊はまだ起こらず、しかし株価は上昇もしない、というものであった。その後、株価はどうなったか?

続きを読む 株式市場の全ポジションを決済し利益確定、コモディティ市場に注力