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ユーロ問題の文化的背景: ドイツの外交音痴が治らない限りユーロ圏はギリシャ問題を何度でも繰り返す

ユーロ問題の経済的背景については何度も書いてきたから、今回はその文化的背景について書いておこうと思う。メインテーマはドイツの外交的・歴史的立場についてである。

ヨーロッパ文化におけるドイツ

古来よりヨーロッパ文化の中心はイタリアであり、フランスであり、イギリスであった。ヨーロッパの料理はイタリアを起源とするものであり、フランス人がそれを継承してイギリスの宮廷に持ち込んだ。ドイツやオーストリアでも、宮廷ではフランス料理が振る舞われた。

音楽ではモーツァルト、ベートーヴェンの時代においてもイタリアのオペラが尊敬されていた。モーツァルトのオペラにイタリア語のものとドイツ語のものがあるのは、彼の時代においても、ドイツ語は歌謡としてはあまりに粗野であるという認識が、ドイツ語圏の宮廷内にあったためである。 続きを読む ユーロ問題の文化的背景: ドイツの外交音痴が治らない限りユーロ圏はギリシャ問題を何度でも繰り返す

OECDレポート: ドイツが世界2位の移住先に

OECDによれば(原文英語)、2012年のドイツへの移民の数は40万人増加し、アメリカ合衆国に次ぐ世界2位の移民受け入れ国となった。ドイツは2009年には8位であった。移民のうち30万人はEUからの移民であり、背景には、ユーロ圏の経済停滞のため、東欧や南欧から失業者が職を求めてドイツへと流れ込んでいることが考えられる。

イタリアの失業率は12%、スペインの失業率は25%で高止まりしており、堅調な回復を見せるドイツ経済の労働市場を抑圧し、これが昨今のユーロ圏の低インフレに繋がっていると想定される。

何度も指摘されているように、共通通貨としてのユーロの欠陥は、各国が各国の状況に応じた金融政策を実行できないことにあり、とりわけドイツがインフレを嫌っていることから、ECB(欧州中央銀行)の動きは後手に回らざるを得ない。来月の政策決定会合での対応が期待されるが、このような失業率の高止まりを単純な利下げで抑制することは不可能であろう。