米国時間12月16日にFed(連邦準備制度)は遂に利上げを行った。量的緩和の縮小から停止、そして利上げへと、市場が荒れないよう十分に周知を徹底して行った金融引き締めであったが、世界の市場の反応はどうであったのか、チャートを見ながら振り返ってみたい。先ずは米国株、S&P 500からである。
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12月FOMC会合結果速報: 声明文はハト派だが想定通りでサプライズはなし
先に報じた通り、Fed(連邦準備制度)は2008年の金融危機後初めての利上げを決定した。
前回の記事で予告した通り、今回の記事では利上げと同時に発表された声明文の分析に移りたい。先ず利上げの理由として挙げられているのは、主に経済状態と労働市場の改善見込みである。
今後段階的(gradual)に調整される金融政策のもとで、経済活動は穏やかに拡大し、労働市場の指標は強化されると予想している。
12月FOMC会合結果速報: 米国は利上げを決定、金利正常化へ
米国時間12月16日、Fed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合で、フェデラル・ファンド金利を0.25%引き上げることを決定した。2008年の金融危機以来初めての利上げであり、米国は遂に長年のゼロ金利から離脱したことになる。
イエレン議長はこれから行われる記者会見で今回の政策決定について説明する。金融引き締めに対する市場の動揺を解消するため、今後の利上げのペースが緩やかになることを説明すると予想されている。
12月のFOMC会合で米国利上げはどうなるか? ドルへの影響は?
周知の通り、Fed(連邦準備制度)の政策決定会合である12月のFOMC会合において米国が利上げをするという観測が高まっている。日程は米国時間で12月15日から16日であり、16日に決定事項および議事録の発表、そしてイエレン議長の記者会見がある。
連銀総裁たちから12月に利上げをするというメッセージが散々出された後であり、今回の会合で利上げがあるというのが共通見解となっていたが、11日金曜日の市場急落で米国のハイイールド債市場が総崩れとなっており、これが利上げに影響を与えるかどうかが注目されている。16日に利上げがあるのかどうかも含め、どういう点に注目してゆくべきかを説明したい。
世界の金融市場のチャートを見る: 利上げ前にドル急落、株安、原油安、金はやや反発
奇妙な動きだが、だからこそ注目しなければならない。
ECB(欧州中央銀行)の利下げが市場の期待に届かなかったこと、そしてOPECが原油減産で同意できなかったことを受け、世界中の金融市場が荒れている。
米国利上げ前にドルが急落、しかもドルが急落しながらドル建ての原油が更に急落するという原則に反した動きだが、そこには意味があるのである。先ずは最近の下落の発端となった原油安から見てゆこう。
ECBの量的緩和延長でユーロ圏マネタリーベースと為替レートはどうなるか?
2015年12月3日にECB(欧州中央銀行)が利下げと量的緩和の期限延長を発表した。これに伴う市場の反応などは以下の記事に既に纏めてあるが、金融政策変更に伴いユーロの適正レートも当然変わっているので、この記事ではマネタリーベースとその推移を掲載しながら、ユーロが今後どうなってゆくかを考えてみたい。
今回の政策決定では預金金利が-0.20%から-0.30%へと変更され、更に量的緩和の期限が2016年9月から2017年3月へと延長された。量的緩和については必要があれば延長すると明言していたので、今回はそれを公式に認めただけではあるのだが、半年の延長がどれだけ為替に効果を持つのか、そして今後更に延長されればどうなってゆくのかを見てみたい。
米国利上げ後の為替投資戦略: ドルはいつ売るべきか? ポンドの利上げは? 円の長期見通しは?
前回の記事では米国が利上げをすれば金融市場全体がどう動くかを書いたが、それを踏まえて今回は、利上げの前後に為替相場で実際にどうトレードすれば良いかを書きたいと思う。
先ず前提となるのは、ドルとポンドが中期の買いであり、円が長期の売り、ユーロは売りだがECB(欧州中央銀行)次第ということであるが、現在の相場で重要となるのは、ドル買いと円売りを分けるということである。つまり、ドル円で相場を見てはいけない。
米国利上げ後の相場への影響: 株価、為替、金価格、原油価格はどうなるか? 市場が暴落するのはいつか?
量的緩和で買えば儲かる相場は終わり、遂に世界の金融市場の終わりが始まった。ここから先は複数のバブルがいつ崩壊するかというカウントダウンの問題である。
米国の中央銀行であるFed(連邦準備制度)は2008年の金融危機以来初めての金融引き締めに動いており、何兆ドルもの貨幣が刷られたあと、その資金が引き揚げられるのだから、ただで済むわけがないのだが、市場は8月からの世界同時株安が反発したことで利上げを織り込んだとの自信を強めている。
しかし、そのような大きな材料がたかだか15%の株の急落で織り込まれるはずがない。では本当の問題は一体何で、これから市場はどうなってゆくのか、投資家はどうトレードすれば良いのかを、順を追って説明しようと思う。
12月米国利上げはどうなる?: 利上げなら最終的にはドル安の可能性
Fed(連邦準備制度)が年内の利上げを主張し始めてから何ヶ月も経過し、2015年のFOMC会合は残すところ12月の1回のみとなった。
8月から始まった世界同時株安も10月には元の水準まで回復し、その後の投資戦略が求められる頃合いであるが、そのためには先ず米国の利上げがどうなるかを話さなければならないだろう。
10月の日銀決定会合は追加緩和ではなく目標達成後ずれ容認か
以下のロイターの記事は結構重要な内容なのだが、巷ではあまり重要視されておらず、多くのアナリストらの話題もいまだ可能性のほとんどない追加緩和の有無の話ばかりである。
この記事によると、日銀は今回の会合で物価見通しを引き下げ、その結果2%のインフレ目標の達成が後ずれし、量的緩和の終了も延期されるというものである。ここでは日銀は量的緩和を終了することはできないと何度も書いてきたが、それを日銀が公式に認めることで市場へのリップサービスにしようということだろう。