「為替相場」カテゴリーアーカイブ

年明けからの市場急落、何を買い下がるべきか?

年明けから不安定な相場が続いており、S&P 500は節目の2,000を割れ、ドル円は116円台で推移している。原油は一時45ドルを下回った。何よりも注目すべきは、ボラティリティがあらゆる市場で上昇していることである。

上記の記事で述べた通り、とりわけ株式市場はFRB(連邦準備制度)の量的緩和の終了と利上げという未曾有の金融引き締めをほとんど織り込まずにここまで来ている。織り込みが遅れている要因には日欧の金融緩和があるが、今年中に実際に利上げが始まる可能性が高いことを考慮すると、低金利により債券から株式へと移っていた資金の株式市場からの逆流は、今年か来年には起こる可能性が高い。 続きを読む 年明けからの市場急落、何を買い下がるべきか?

原油安は円安要因ではないかもしれない

12月19日、日銀の政策決定会合が開かれ、追加緩和後の金融政策を賛成8、反対1の賛成多数で決定した。

10月31日の追加緩和は原油価格の下落を受け発表された。当時80ドル程度であったWTI原油先物は更に下落を続け、現在55ドル前後まで下落しているが、原油安への黒田総裁の反応は、発言を字義通り受け取れば、追加緩和後の会見時のものとはやや異なるものであった。 続きを読む 原油安は円安要因ではないかもしれない

ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

ロシアルーブルを始めとする新興国・産油国通貨への懸念から、世界の金融市場でリスクオフの動きが進んでいる。

円やユーロが買われていることから、ドル高の動きではなく、各国の不動産株が売られていることから、デフレを懸念しているわけでもない。これまで蓄積されてきたグローバルマクロ的なポジションが、クリスマス休暇前ということもあり決済されているのである。今回は、とりわけドル円と各国の不動産株について、簡単にレビューしたい。 続きを読む ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

日米マネタリーベース比較: ドル円120円は妥当か

10月31日に日銀が金融緩和を決定した後、ドル円は122円の高値に触れ、現在は120円前後で推移している。110円前後からの急激な円安が、長期的な視野から妥当な水準であるのかどうかを考察する。

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ユーロ売りは一旦ここまで、今後は量的緩和の導入を待つ

ユーロドルはウクライナの政治不安に後押しされ、早くもECBの緩和発表後の分析記事で想定した1.30に近い水準まで落ちた。このタイミングでウクライナでの停戦が発表されたことから、TLTRO(局所的長期資金供給オペ)を根拠としたユーロ売りはここまでとして良いだろう。初期から空売りを始めている投資家には深追いをする理由がない。投資は一番美味しい部分に大きく賭ければそれで良いのである。

今後は量的緩和の観測がマクロ経済学の観点から正当化される場合のみ空売りが可能となるだろう。そのためにはユーロ圏の消費者物価などを注視する必要がある。

投資戦略: ショート

フォロー開始時レート: 1.366

フォロー終了時レート: 1.315

リターン: +3.73%

フォローアップ: ユーロ、FCC、ワコム、CNNC International

下記は以前紹介した銘柄の現状確認である。

  • ユーロドル

ECB緩和発表後の高値1.366から下落し1.355付近で推移している。会合後の記事で書いた通り、長期的には1.30に向けて下落してゆくと想定しているが、ECBが実際に資金供給を行うのは9月と12月であり、この緩和は発表から実行までに多少間がある。 続きを読む フォローアップ: ユーロ、FCC、ワコム、CNNC International

ECBの会合前に見るユーロ、ドイツ国債、不動産株

日本時間で5日の20時45分からECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合が予定されている。この会合は、前回の会合でドラギ総裁が金融緩和の可能性に言及したことで非常に注目されている。 続きを読む ECBの会合前に見るユーロ、ドイツ国債、不動産株

ECBが量的緩和に動けばユーロは何処まで押し下がるか

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が6月の会合での金融緩和の可能性に言及して以来、去年末より欧州の不動産銘柄に広がっていた緩和の思惑(Gecinaの記事参照)が為替相場にも波及し、ユーロドルはドラギ総裁の発言前のレートから1%ほど下落し、1.37前後で推移している。

現時点ではマイナス金利など量的緩和以外の手段が噂されているが、これらの手段が低インフレに歯止めを掛けられない場合、ECBは量的緩和のほかに手段がなくなる。したがって、ここで量的緩和がユーロドルをどれだけ押し下げるかということを確認する。 続きを読む ECBが量的緩和に動けばユーロは何処まで押し下がるか

日米マネタリーベース比率によるドル円の現状確認

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上記は1990年からの日米のマネタリーベース比率と為替レートのグラフである。95年からの10年間、1ドルあたりの円発行量100円に対して為替の1ドル115円程度で推移していたが、2008年の金融危機でFRBが金融緩和に動いたため、マネタリーベース比率が50前後にまで落ち込み、日銀が大規模な量的緩和に動いてからもFRBが緩和を続けているため、大きく円安に振れた今も、マネタリーベース比率は大きく変わらず推移している。 続きを読む 日米マネタリーベース比率によるドル円の現状確認