Fed(連邦準備制度)が年内の利上げを主張し始めてから何ヶ月も経過し、2015年のFOMC会合は残すところ12月の1回のみとなった。
8月から始まった世界同時株安も10月には元の水準まで回復し、その後の投資戦略が求められる頃合いであるが、そのためには先ず米国の利上げがどうなるかを話さなければならないだろう。
Fed(連邦準備制度)が年内の利上げを主張し始めてから何ヶ月も経過し、2015年のFOMC会合は残すところ12月の1回のみとなった。
8月から始まった世界同時株安も10月には元の水準まで回復し、その後の投資戦略が求められる頃合いであるが、そのためには先ず米国の利上げがどうなるかを話さなければならないだろう。
以下のロイターの記事は結構重要な内容なのだが、巷ではあまり重要視されておらず、多くのアナリストらの話題もいまだ可能性のほとんどない追加緩和の有無の話ばかりである。
この記事によると、日銀は今回の会合で物価見通しを引き下げ、その結果2%のインフレ目標の達成が後ずれし、量的緩和の終了も延期されるというものである。ここでは日銀は量的緩和を終了することはできないと何度も書いてきたが、それを日銀が公式に認めることで市場へのリップサービスにしようということだろう。
米国の中央銀行、Fed(連邦準備制度)は米国時間で10月27日から28日、金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、利上げについて議論を行う。結果は28日に発表される。
個人的には10月の利上げはないと考えており、市場の意見も同様のようである。金利先物市場は10月利上げの確率を5.7%としている。利上げがないと考える理由は以下の通りである。
第一に、Fedから次の会合で利上げをするというメッセージが出ていない。Fedが金融引き締めに動く際には、市場を驚かせないよう事前に記者に情報をリークするなどして、投資家に心の準備をさせるものであるが、現時点でFedのそういう動きは見られていない。
あらゆる状況証拠が追加緩和は無いと言っているのだが、少なからぬ市場参加者が追加緩和を期待しているようである。
先ず円がじわりと上がってきている。これはドル高ではなく円安である。ユーロ円なども似た動きをしているからである。
さて、世界中の金融政策が微妙な状況となってきた。大筋ではトレンドがほとんど変わっていない米国の雇用統計にもかかわらず、Fed(連邦準備制度)は利上げをするかどうかを曖昧にしている。彼らはより良い経済指標を待っているのか? 個人的な推測によれば、そうではない。Fedは恐らくある程度の株安を望んでおり、それが持続することを目指しているのである。
これらの記事で説明したように、Fedの目的が利上げそのものではなく株安そのもの、つまり量的緩和バブルのガス抜きであるならば、株安が継続する限り今年中の利上げは必ずしも必要ではないということになる。その場合、ドル円や金はどうなるだろうか? 利上げの延期は日銀の追加緩和にも影響するのか? 今回の記事ではこれらの点について考察したい。
世界経済は冗談のような大嘘に満ちている。量的緩和は財政ファイナンスではなく、中国経済は年率7%成長しており、金融緩和は通貨切り下げ競争ではないというものである。
量的緩和は国債を政府ではなく市場から買い入れれば財政ファイナンスではないとされ、中国経済の成長率は他国の要人さえ7%前後を前提に発言している。通貨切り下げ競争に至っては、デフレや失業率など自国内の口実さえ思いつけば金融緩和は通貨切り下げではないとされ、米国は日本やユーロ圏の量的緩和を非難せず、中国の控えめな金融緩和のみを非難している。
こういう子供でも分かるような大嘘を政府が付かなければならないのは、その背景に彼らにとって重要な意図と行動があるからであり、世界経済はそういった意図に基づいて動いてゆくのである。本稿ではこういう嘘がどういう背景で運営されているかを明確にし、それが金融市場に与える影響を考察する。
9月16日から17日のFOMC会合を終え、Fed(連邦準備制度)の連銀総裁たちが今回の決定についてコメントをしているが、そのうちアトランタ連銀総裁のロックハート氏の発言のなかに重要なコメントがあったので言及しておきたい。
ロイター(原文英語)によれば、Fedは今回の会合で政策金利を維持することを決めたが、この決定についてロックハート氏は「現在の市場のボラティリティに対するリスク管理という観点に多くのウェイトを置いて判断した」と述べており、市場の不安定性を考慮したことを表明した。
また、ボラティリティは「より本質的な病巣の兆候」(a symptom of more fundamental ills)である可能性があるとし、進展をもう少し見守るのが良いと考えたとした。
速報でも報じたように、 9月17日、Fed(連邦準備制度)は政策金利を維持し、利上げを先送りにする決定を下した。今後の方針については、引き続き多数の会合参加者が年内の利上げを想定しているという従来の表現を続けたのみで、利上げについてこれまで以上の情報発信をすることはなかった。
表題に「不可解な」と書いたのは、以前の記事での予想、つまり、利上げをしない場合は近日中の利上げをはっきりと表明するという想定が外れたからである。この想定が外れた場合に何が不合理であるのか、そしてその矛盾は何を暗示しているのかを、この記事で考えてみたい。 続きを読む 米国利上げは延期、やや不可解なFOMC結果をどう解釈するか
米国の利上げについてはここでも様々記事を書いてきたが、9月16-17日のFed(連邦準備制度)のFOMC会合を間近に控え、著名投資家たちも自身の意見を表明しているので、これらを纏めてレビューしておこう。
ジム・ロジャーズ氏
先ずはYahoo! Financeのインタビューに答えているジム・ロジャーズ氏からである。彼は利上げ後の市場については弱気派であり、Fedは金融政策を逆戻しする羽目になると主張する。 続きを読む 米国利上げに関する著名ファンドマネージャーたちの見解
さて、いよいよ利上げの可能性のある初めてのFOMCが行われようとしている。Fed(連邦準備制度)は米国時間9月16日と17日に政策決定会合であるFOMCを開催し、その結果を17日に発表することになる。
Fedの利上げについては長らく記事にしてきたが、9月の利上げの可能性について再び纏めておこう。個人的には可能性の高いシナリオは2つあり、可能性は五分五分であると考えている。2つのシナリオとは以下の通りである。 続きを読む 9月16日、17日のFOMCで米国は利上げするのか?