まだドル円の上昇を長期トレンドと信じている投資家も居るのかもしれないが、そろそろ真逆の見通しを真剣に考え始めるべき頃合いだろう。
ドル円に関しては2015年末よりドル高トレンドは反転すると主張してきたが、最近の動向を見ていると、量的緩和が行われている円やユーロがむしろ買いである可能性があると思うようになってきた。つまりドル高が終わりを告げるだけでなく、円安も危ういということである。両サイドからの圧力はドル円にとって厳しい状況となるだろう。
まだドル円の上昇を長期トレンドと信じている投資家も居るのかもしれないが、そろそろ真逆の見通しを真剣に考え始めるべき頃合いだろう。
ドル円に関しては2015年末よりドル高トレンドは反転すると主張してきたが、最近の動向を見ていると、量的緩和が行われている円やユーロがむしろ買いである可能性があると思うようになってきた。つまりドル高が終わりを告げるだけでなく、円安も危ういということである。両サイドからの圧力はドル円にとって厳しい状況となるだろう。
3月15日から16日まで行われた米国FOMCの金融政策決定会合では、政策金利の維持が決定された。決定は満場一致ではなく、カンザスシティ連銀総裁のジョージ氏が0.25%の利上げを主張したが否決された。ジョージ氏はタカ派で知られる。
発表された声明は下記の記事で取り上げた1月のものとあまり変わっていないが、原油価格や株式市場が反発したにもかかわらず、「世界経済と金融市場の動向は引き続きリスクとなっている」との表現を記載し、1月に引き続き市場への配慮を示した。
現在の市場の回復を考えれば、個人的にはFed(連邦準備制度)はもっとタカ派になって良いと考えていたので、その予測からすれば今回の発表はハト派ということになるだろうか。市場もそのように受け取ったようであり、ドルが下落、金価格などが上昇している。順にチャートを見てゆこう。
3月10日、ECB(欧州中央銀行)は政策決定会合を行い、マイナス金利の更なる利下げと量的緩和拡大の追加緩和を発表した。市場予想も上回る満額回答の緩和プランだったのだが、市場の反応はユーロが反発、欧州株は下落というネガティブな結果であった。
2015年後半からの世界同時株安以降、中央銀行の存在感はほとんど市場に無視されており、今回の結果は驚くほどではないが、量的緩和の拡大という明らかな追加緩和が市場に無視されたという事実は、やはり相場の重要な転換点を暗示しているのだろう。
本稿では今回の追加緩和の詳細とその後の市場の動きを俯瞰したうえで、それらが2016年の相場に対して持つ意味を考えてゆきたい。
2016年始めからの世界同時株安を受け、ドル円の動きが低迷している。去年から言い続けてきた通り、今年の相場のキーワードはドル高反転であり、そもそも未だに「アベノミクスによるドル円上昇」という古いトレンドにしがみついている投資家はその時点で間違っているが、ここの読者であればその心配はないかと思う。
しかしながら、それでも日本の友人たちから良く聞かれるのはドル円の相場見通しであり、個人的にはドル円という美味しくない通貨ペアをどうこうするつもりはないのだが、それでも考察は可能であるので、ドル円の動向とレンジ予想について記事を書いてみたい。ポイントは、どれだけ円安になるかということと、ドル高がいつまで続くかということを明確に分けることである。
1月29日に日銀は追加緩和としてマイナス金利の導入を発表した。発表から1日ほどの間は市場も円安株高で反応したが、ドル円はそのあと数日で追加緩和後の上げ幅を超えて下落、2月4日には一時117円付近まで下落した。
チャートもやや奇妙な形だが、その理由は明快であり、マイナス金利後のドル円上昇は円安、その後の下落はドル安と、それぞれ理由が異なるからである。
2016年1月29日、日銀は金融政策決定会合にてマイナス金利の導入を決定した。これまでの量的緩和政策に変更はなく、金融緩和としてマイナス金利を追加したものとなる。取り急ぎではあるが、株式・為替市場と実体経済にどのような影響があるかを列挙してみよう。
先ず、量的緩和を使おうと、マイナス金利を使おうと、日銀に出来ることは以下の2つしかない。 続きを読む 日銀追加緩和: マイナス金利の実体経済への影響、ドル円と株式市場はどうなるか?
2016年の基本的な戦略については既に書いたが、市場の動きが激しくなってきたので追記したい。
2016年の市場が始まって以来、株式市場は下落し、また為替市場ではドル円が下落している。年始には120円を超えていたドル円は、現在118円前半で推移している。
著名投資家のジム・ロジャーズ氏がブルームバーグのインタビュー(英語)に答えている。米国の利上げが行われた後、2016年の金融市場がどうなってゆくのかについて興味深い話をしているので取り上げたい。個人的には同意する部分もやや異議のある部分もあるが、それも含めて見てゆこう。
利上げは株式市場の終わり
先ず、利上げについてはこう答えている。 続きを読む ジム・ロジャーズ氏が利上げ後の相場を語る: 2016年のドル、株式、債券、金、原油、ハイイールド債
米国時間12月16日にFed(連邦準備制度)は遂に利上げを行った。量的緩和の縮小から停止、そして利上げへと、市場が荒れないよう十分に周知を徹底して行った金融引き締めであったが、世界の市場の反応はどうであったのか、チャートを見ながら振り返ってみたい。先ずは米国株、S&P 500からである。
先に報じた通り、Fed(連邦準備制度)は2008年の金融危機後初めての利上げを決定した。
前回の記事で予告した通り、今回の記事では利上げと同時に発表された声明文の分析に移りたい。先ず利上げの理由として挙げられているのは、主に経済状態と労働市場の改善見込みである。
今後段階的(gradual)に調整される金融政策のもとで、経済活動は穏やかに拡大し、労働市場の指標は強化されると予想している。