ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを設立したジム・ロジャーズ氏が、アメリカ大統領選挙におけるトランプ氏勝利を受けて日本株を買い持ちしていることを明らかにした。アベノミクス初期に日本株を買い、その後売却したことを公にしていたロジャース氏は、トランプ次期大統領の経済政策を受けて投資方針を再び転換したことになる。
「為替相場」カテゴリーアーカイブ
トランプ氏勝利後の世界の金融市場チャート一覧
アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選してから世界の金融市場は大きく変化した。アメリカの政治的転換の影響を受けて、株価も金利も為替も目覚ましい動きをしている。
トランプ政権の経済政策についてはまだ詳細が明らかになっているわけではないが、投資家にとって現状の市場の反応を幅広く把握しておくことは重要だろう。よって一度、米国株や金利、ドルの動きなどの基本的なところから、メキシコなど新興国の為替、ヨーロッパや中国の市場まで、一度包括的に取り上げてみたい。
アメリカ大統領選挙開票: トランプ氏優勢でドル円暴落、株式市場も暴落
アメリカ大統領選挙の開票が進んでいる。初期の開票結果速報ではドナルド・トランプ氏の劣勢が伝えられたが、その後盛り返し、フロリダやオハイオ、ノースキャロライナなどのいくつかの重要な州でのトランプ氏優勢が伝えられている。
それでも票数はかなりの接戦となっているが、金融市場はほぼ全面的にトランプ氏当選を予想しているようである。
金価格と一緒に下落したものは? 世界の金融市場チャート一覧
金価格の下落については既に報じたが、この下落は基本的には利上げ観測の高まりによるアメリカ長期金利の急騰に反応したものであり、その意味では金利上昇に金融市場の他の部分はどう反応したのかを比較検討する必要があるだろう。
そして様々な市場を比較しながら眺めたとき、ふと不気味に思うことを見つけたので、今回はその点に重点を置きながら話をしたい。以下、順に様々なチャートを比べてゆく。
日銀の総括検証は緩和縮小か、量と金利の景気刺激効果の比較
日銀は2016年9月の決定会合で金融政策の総括検証を行い、これまでマネタリーベースを増やす量を調節することで緩和の度合いを操作していたものを、これからは長期金利に目標を定めて国債の買い入れを行うことで緩和を行うという金利操作目標を導入すると発表した。
これを受けて市場はやや困惑している。発表直後には1-2円ほど円安で反応したドル円も、その時の水準から徐々に下落しつつある。
ドルバブル崩壊: 9月FOMCがドル高の最後の機会となる可能性
利上げの有無にかかわらずである。ドル円などにポジションがある読者にはいくらか有用な記事となるだろう。
ドル暴落予想を裏付ける米国GDP: 4-6月期は落ち込み加速、悪化するアメリカ経済見通し
米国経済統計局が7月29日に発表した第2四半期のアメリカ実質GDP成長率の速報値は1.23%(前年同期比、以下同じ)となり、もともと減速が始まっていた前期の確報値1.57%を更に下回る結果となった。2%以上の成長を維持していた昨年から比べると大きな減速である。
米国経済については今のところ去年の末に発表したわたしの見通しの通りに推移しており、今回のGDP統計も全体としてはそれを裏付ける結果となった。
ただ、その内訳に関しては今回解釈の難しい箇所がいくつかあり、それをどう解釈するかによってアメリカ経済の今後を予想できるかどうかが決まると言える。順に内容を見てゆこう。
日銀追加緩和決定: ETF買い入れ増額は株価暴落への序章
7月29日、黒田総裁率いる日銀は、政策決定会合でETFの買い入れ額を増額する追加緩和を決定した。結果発表の少し前に「政府の強い要請を受けて追加緩和を検討」(ロイター)などと報じられた辺りから、やってしまうのではないかと思っていたが、やはりやってしまったようである。
ヘリコプターマネーはドル円とマネタリーベースにどう影響するか
ヘリコプターマネーが話題となっている。日本政府がヘリコプターマネーを検討し始めたようであり、Fed(連邦準備制度)の前議長であるバーナンキ氏も来日して安倍首相と話したという。
バーナンキ氏はヘリコプターマネーに何度も言及したことから「ヘリコプター・ベン」と呼ばれた中央銀行家であり、ロイターによればバーナンキ氏は安倍首相に「金融政策に限界はない」と話したという。
この発言の真意も含めて、バーナンキ氏がヘリコプターマネーの可能性について話したとすればどのようなことを話したかは大体予想が出来るから、その辺りを順に説明し、また最近の為替相場における円高に関心のある読者も多いだろうから、ヘリコプターマネーが円安をもたらすかどうかについても詳しく議論したい。
参院選の結果は自民党圧勝、株価やドル円はどうなるか? 実体経済への影響は?
2016年7月10日に行われた参議院選挙は自民党と公明党で過半数を占める結果となり、与党の圧勝となった。この結果が日経平均やドル円の動向にどういう影響を与えるか、株式市場、為替市場それぞれについて考えてゆきたい。