ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを立ち上げた著名投資家のジム・ロジャーズ氏が、Forbesによるインタビュー(原文英語)で金相場について語っている。その切り口がいかにもロジャーズ氏らしいのでここに紹介したい。
「商品市場」カテゴリーアーカイブ
米国マネタリーベース縮小で金価格が暴落する理由、インフレと金利の行方
アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)がマネタリーベース縮小を進めようとしている。連日このテーマについて報じているが、一番純粋に影響を受ける金相場についてもう一度纏めておこう。
ビル・グロス氏: バランスシート縮小は無理
債券投資家のビル・グロス氏が、アメリカの中央銀行に対して投資家ならば誰もが言いたいことをはっきり言っている。
OPEC会合: サウジアラビア減産強行で原油価格上昇
サウジアラビアを中心とするOPECが5月25日にウィーンで開かれる会合で原油減産の延長を決定するとの思惑から原油価格が上昇している。
2017年原油価格の推移予想とシェールオイル産業の損益分岐点
アメリカのシェール革命により原油の世界的供給が大幅に増加したことで一度は30ドル付近まで暴落した原油価格も、2016年前半の大底から回復しており、今後の動向が注目されている。
ドラッケンミラー氏、金価格下落でゴールドに再投資、トランプ相場後退で
2016年のアメリカ大統領選挙以来、様々なファンドマネージャーの相場観を伝えているが、金利上昇と株高のトレンドを一番早く、しかも一番正確に言い当てたのは、かつてジョージ・ソロス氏のクォンタムファンドを指揮したドラッケンミラー氏だった。
ドラッケンミラー氏はそれまで世界経済の停滞を予想してゴールドを買っていたが、トランプ氏が大統領選で勝利すると経済成長への期待が高まり、金利が上昇することで、金利の付かない金の需要が弱まると踏んで手持ちの金を売り払った。金価格はその後大幅に下落している。
トランプ政権が超長期債発行でジャンク債は暴落する
DoubleLine Capitalの債券投資家ジェフリー・ガントラック氏がアメリカの長期金利高騰を懸念して、3%を超える事態となれば高利回りのジャンク債が暴落すると予想したことは伝えたが、2017年ジャンク債暴落にはもう一つのシナリオがある。
それが何かと言えば、トランプ政権による超長期債、つまり50年物国債などの発行である。個人投資家の読者には債券市場はあまり馴染みがないものと予想するが、トランプ相場を予測する上で債券の金利は非常に重要であるので、アメリカの債券について連日取り上げている。
ジム・ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を1980年から振り返る
これまで何度も取り上げてきた著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、周知の通り逆張り投資家である。ブームになっている市場には目もくれず、投資家に見向きもされない市場、あるいは叩き売られている市場に投資をし続ける。
彼は1973年にジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを設立し、途方もないパフォーマンスを叩き出した後、1980年にヘッジファンドを引退、その後は世界一周などをしながら自分の資金を運用する冒険投資家となっている。
彼の逆張りの投資スタイルはその当時からのものである。今回の記事では彼の著書『商品の時代』に書かれた引退後の彼の投資に着目し、ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を紹介してゆきたい。
トランプ相場: 金価格下落は行き過ぎか? 2017年の推移予想は?
トランプ政権への期待の高まりから、金融市場は経済成長とインフレへの期待を取り戻している。株式市場と金利はともに上昇しているが、リスクオフで買われる金相場は逆に暴落となっている。ここでも2015年12月から続けていたゴールドの買いポジションについて、選挙の直後に利益確定したことを伝えている。
しかし金価格は何処まで下がるのだろうか? 前回の記事ではアメリカのGDPとインフレ率の推移見通しを概算したが、その情報を使えば金価格の適正値についても計算出来るはずである。したがって本稿ではアメリカ長期金利に続いて金相場の見通しを占ってみよう。
トランプ氏勝利後の世界の金融市場チャート一覧
アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選してから世界の金融市場は大きく変化した。アメリカの政治的転換の影響を受けて、株価も金利も為替も目覚ましい動きをしている。
トランプ政権の経済政策についてはまだ詳細が明らかになっているわけではないが、投資家にとって現状の市場の反応を幅広く把握しておくことは重要だろう。よって一度、米国株や金利、ドルの動きなどの基本的なところから、メキシコなど新興国の為替、ヨーロッパや中国の市場まで、一度包括的に取り上げてみたい。