金価格の上昇が止まらない。2016年1月からの世界同時株安を受け、米国が利上げできなくなる観測が市場を支配し始めたことで、米国の金融引き締めを織り込んで暴落していた金価格が急反発している。金価格の見通しを書いた記事で述べたシナリオ通りであり、個人的なトレードとしても恐らくは数年に一度の大成功である。
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金買い増し: 2016年、アメリカ経済減速で通貨切り下げ競争が激化する
2015年第4四半期のGDP速報値でアメリカ経済の減速が確認されたことにより、元々保有していた金のポジションを拡大した。米国の利上げが金融緩和に逆戻りするとの確信を得たからである。
2008年の金融危機の後、米国の量的緩和で暴騰した金価格は、Fed(連邦準備制度)が量的緩和を停止し、更には利上げへと進んだことで半値近くに暴落している。しかし米国の利上げは成功しない。そしてそうなれば金価格は再び高値へと向かうだろう。
ジム・ロジャーズ氏: 世界同時株安でもドルは上がり、金価格は1,000ドル以下に下落する
さて、上記に紹介したジム・ロジャーズ氏のインタビュー(原文英語)のうち、世界同時株安に関する部分は訳したが、金の予想に関する部分はまだであったので、そちらも紹介しておきたい。
2016年金価格の推移予想: 金は暴騰するがいつ買うべきか? 利上げの影響と米国経済の動向
原油価格とアメリカ経済についての予測を既に書いたので、ようやく2016年の金価格の見通しについて話すことができる。
金は2017年には暴騰するが、問題はいつ買うべきかということである。何度も言うように、金を購入するタイミングがこれから数年の投資家のパフォーマンスを大きく左右する。
2016年の金価格はどうなるだろうか? 金価格の動向を予測する上で考えなければならないのは以下の3つである。 続きを読む 2016年金価格の推移予想: 金は暴騰するがいつ買うべきか? 利上げの影響と米国経済の動向
米国利上げ後の世界の金融市場チャート: 株式、債券、為替、原油、金
米国時間12月16日にFed(連邦準備制度)は遂に利上げを行った。量的緩和の縮小から停止、そして利上げへと、市場が荒れないよう十分に周知を徹底して行った金融引き締めであったが、世界の市場の反応はどうであったのか、チャートを見ながら振り返ってみたい。先ずは米国株、S&P 500からである。
世界の金融市場のチャートを見る: 利上げ前にドル急落、株安、原油安、金はやや反発
奇妙な動きだが、だからこそ注目しなければならない。
ECB(欧州中央銀行)の利下げが市場の期待に届かなかったこと、そしてOPECが原油減産で同意できなかったことを受け、世界中の金融市場が荒れている。
米国利上げ前にドルが急落、しかもドルが急落しながらドル建ての原油が更に急落するという原則に反した動きだが、そこには意味があるのである。先ずは最近の下落の発端となった原油安から見てゆこう。
米国利上げ後の相場への影響: 株価、為替、金価格、原油価格はどうなるか? 市場が暴落するのはいつか?
量的緩和で買えば儲かる相場は終わり、遂に世界の金融市場の終わりが始まった。ここから先は複数のバブルがいつ崩壊するかというカウントダウンの問題である。
米国の中央銀行であるFed(連邦準備制度)は2008年の金融危機以来初めての金融引き締めに動いており、何兆ドルもの貨幣が刷られたあと、その資金が引き揚げられるのだから、ただで済むわけがないのだが、市場は8月からの世界同時株安が反発したことで利上げを織り込んだとの自信を強めている。
しかし、そのような大きな材料がたかだか15%の株の急落で織り込まれるはずがない。では本当の問題は一体何で、これから市場はどうなってゆくのか、投資家はどうトレードすれば良いのかを、順を追って説明しようと思う。
米国利上げが延期になれば日銀の追加緩和の時期はいつになるか? ドル円と金価格はどうなる?
さて、世界中の金融政策が微妙な状況となってきた。大筋ではトレンドがほとんど変わっていない米国の雇用統計にもかかわらず、Fed(連邦準備制度)は利上げをするかどうかを曖昧にしている。彼らはより良い経済指標を待っているのか? 個人的な推測によれば、そうではない。Fedは恐らくある程度の株安を望んでおり、それが持続することを目指しているのである。
これらの記事で説明したように、Fedの目的が利上げそのものではなく株安そのもの、つまり量的緩和バブルのガス抜きであるならば、株安が継続する限り今年中の利上げは必ずしも必要ではないということになる。その場合、ドル円や金はどうなるだろうか? 利上げの延期は日銀の追加緩和にも影響するのか? 今回の記事ではこれらの点について考察したい。
ジム・ロジャーズ氏が中国経済とコモディティ市場の暴落を語る: 金、原油、中国株
米国の利上げが近づくにつれて、金や原油などコモディティ市場が暴落している。債券投資家のビル・グロス氏などは商品価格の下落に長期的なデフレ圧力を見、また、ここの記事でも商品市場暴落の意味するものを説明してきた。
しかし、フォーブスによるインタビュー(英語)によれば、ジム・ロジャーズ氏はコモディティ市場の超長期的な上昇サイクルは終わっておらず、現在の下げ相場は一時的な調整だと見ている。また、ロジャーズ氏は中国株を保有していることでも知られており、記者からは中国株の上昇とコモディティ価格の上昇が両立するのかという疑問が投げられた。彼はこう答えている。
金価格急落: 価格の下落自体は既定路線も原因に新たな要素あり
さて、金価格の下落が始まったようである。2015年に入ってから概ね1150-1250ドルのレンジで推移していた金価格は、7月に入り徐々に下がり始め、20日には遂に1100ドルを割り込んだ。まだ暴落とは言えないが、ここ最近では見ていない急落ではある。
以前にも書いた通り、金価格の下落は米国の利上げ前の既定路線であるが、新たな要素として、今回の急落には米国だけではなく中国の景気減速も絡んでいるので、上記の記事に書いた買い下がりのレンジの見直しなども含めて、金の今後について書いてゆきたい。