2016年はこれまで金投資を主なポジションとしてきたが、米国の利上げが佳境を迎えていることを踏まえ、新たなポジションを開始する。米国株の空売りと米国債の買いである。
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リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債
引き続き2008年のサブプライム・ローン危機の検証である。前回の記事では株式市場のバブル崩壊に先立ってアメリカの住宅価格バブルが下落を開始していた様子を説明した。
しかしバブル崩壊時に価格が上昇するものもある。今回は2008年前後における金相場とアメリカ長期国債の動きを検証したい。どちらも金融危機を原因として長期的な高騰を見せたことは同じなのだが、短期的には正反対の動きを見せている。
金価格と一緒に下落したものは? 世界の金融市場チャート一覧
金価格の下落については既に報じたが、この下落は基本的には利上げ観測の高まりによるアメリカ長期金利の急騰に反応したものであり、その意味では金利上昇に金融市場の他の部分はどう反応したのかを比較検討する必要があるだろう。
そして様々な市場を比較しながら眺めたとき、ふと不気味に思うことを見つけたので、今回はその点に重点を置きながら話をしたい。以下、順に様々なチャートを比べてゆく。
金価格下落の理由、今後の相場予想とバブルシナリオ再点検
金価格が急落した。金相場だけではなく円やユーロなども下落しているため、利上げ懸念が再燃してドル高になったと簡単に説明することも出来るが、ゴールドに賭けている投資家にとっては金価格に影響を与える経済指標の短期的推移を厳密に点検した上で、金相場の状況がどうなっているのかをより詳細に把握しておくべきだろう。そうでなければ上がり下がりを曖昧に理解したまま一喜一憂する賭博師になってしまう。
ロスチャイルド卿が金買い: 「低金利政策は史上最大の金融実験」
ソロス氏に続いて今回はロスチャイルド卿の動向をお伝えしよう。RIT Capital Partnersの2016年の中間レポートで、ロンドンロスチャイルド家の当主であるジェイコブ・ロスチャイルド氏が2016年の相場観とポートフォリオについて語っている。
前回の記事ではソロス氏が金鉱株を売却して米国株の空売りを倍増したニュースをお伝えしたが、ロスチャイルド卿の相場観はどうだろうか。
RIT Capital Partnersはソロス氏のヘッジファンドなどと比べてより長期の投資に重点を置いているため、短中期的な市場の動向に対して機動的にポジションを変えていっているわけではないが、それでもロスチャイルド卿の長期的な見方を知ることは出来る。
ジョージ・ソロス氏が金ETFと金鉱株を売却、米国株の空売りは倍増、利上げを警戒か
毎四半期恒例のForm 13Fで機関投資家の米国株のポジションが公開されたので、著名投資家ジョージ・ソロス氏のポートフォリオを見てゆきたい。今回のデータは2016年6月末のポジションということになる。
米国利上げによる金価格の短期的下落をヘッジする方法一覧
前回の記事で予告しておいた、金相場の短期的な下落リスクをヘッジする方法の一覧である。前回の記事を読んでいることが前提であるので、先ずはそちらに目を通してほしい。
また、今回の記事ではオプションを多用しているので、オプションの知識のない読者には以下の記事をお勧めしたい。
2017年への金価格の推移予想: 長期的にはバブルになるが、短期的には山を越える必要あり
久々の金相場見通しである。金については2015年よりフォローしているが、以下は最近の経済データを踏まえた最新版であり、特に短期的に金価格が下落するリスクに焦点を当てて今後の動向を予測している。やや長い記事になったが、その分詳しく説明できたのではないかと思う。
ジム・ロジャーズ氏: それでも金価格は再び1,000ドル以下まで下落する
久々にジム・ロジャーズ氏の新しいインタビューである。
ジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを設立したことで有名なロジャーズ氏は、Frankfurter Allgemeineのインタビュー(原文ドイツ語)に答え、金や原油など様々な市場についての相場観を披露している。やや長いので、話題ごとに記事を分けて訳してゆきたい。先ずはロジャーズ氏の金相場に関する予想から見てゆこう。
世界の金融市場チャート: イギリスのEU離脱で上がったもの、下がったもの
イギリスの国民投票でEU離脱が決定してからある程度時間が経ち、市場の反応が出揃ってきたので、世界の金融市場チャートからBrexitで上がったもの、下がったものを纏めておきたい。