2018年2月から始まった世界同時株安を的確に予想した債券投資家のジェフリー・ガントラック氏がCNBCのインタビュー(原文英語)で弱気予想を繰り返している。
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混み合ってきた長短金利差が示す世界同時株安の今後の動向
さて、債券投資家ガントラック氏の予想通り、2月に始まった世界同時株安は一度反発したが再び下落した。
ただ、1度目の急落と2度目の急落で異なる部分が1つある。2度目では、株安の原因となったアメリカの長期金利が急落していることである。
3月FOMC会合結果、タカ派にもかかわらずドル安になった理由
アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は3月20-21日に金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、0.25%の利上げを行った。これでアメリカの政策金利は1.50-1.75%のレンジとなった。
事前に報じていた通り利上げ自体は市場の想定通りだったので、問題はFedの表明した今後の利上げ方針と金融市場の反応ということになる。
3月FOMC会合、ドルは上下両方にリスクシナリオあり
アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は3月20日から21日(米国時間)まで金融政策決定会合であるFOMC会合を開催し、新たに決定した金融政策を21日に公表する。
今回の会合はFedの新議長に就任したパウエル議長が率いる初のFOMC会合であり、株式市場が世界同時株安で揺れる中、投資家の注目を集める会合となっているが、今回の会合にはハト派(金融緩和寄り)、タカ派(金融引き締め寄り)の両方向にそれぞれリスクシナリオがあるので、それを説明したい。
ガントラック氏: 世界同時株安の魔人はまだ消滅していない
2018年2月の初めから始まった世界同時株安だが、株式市場はその後反発し、落ち着きを取り戻したように見える。相場はこのまま何事もなかったように上昇相場に戻っていくのかということが投資家の関心事となっているが、2月の株安を事前に予想していた債券投資家ジェフリー・ガントラック氏は下落方向の予想をしているようである。
個人消費にアメリカ経済減速の兆し、利上げは止まらず
利上げとマネタリーベース縮小というアメリカの金融引き締め政策が続く中、株式市場はやや荒れている。
しかしパウエル新議長の率いるFed(連邦準備制度)は株式市場の下落を無視して金融引き締めを続行する意向を表明しており、投資家としては中央銀行の今後の動向が気になるところだろう。このまま引き締めが続き、市場は下落してゆくのか? 中央銀行が株式市場に反応しない以上、利上げを止めることが出来るとすれば、それはアメリカの実体経済が減速する場合である。
世界同時株安で長期金利低下、今後の市場動向は?
アメリカ発の世界同時株安が継続している。表向きの理由はFed(連邦準備制度)のパウエル議長の発言などだが、そうした直接的な材料がなかったとしても同じような動きになったことだろう。
ますます流動性相場の様相を見せる世界の金融市場
連日報じている通り、世界のあらゆる金融市場は画一的な動きを見せるようになっている。例えば米国株と原油価格がこれほど密接な相関関係を見せるのは、その2つの市場がともに急騰しともに暴落した2008年以来のことである。そしてその相関はメジャーな市場だけではなく、ビットコインなどの価格動向にも及んでいる。
何度も書いている通り、この奇妙な相関関係に着目することは今後の金融相場を予想する上で非常に重要になる。
米国金利上昇にもかかわらずドルが下落している理由
アメリカの金融政策を決定するFed(連邦準備制度)の利上げとバランスシート縮小という金融政策によってアメリカの長期金利が上昇し、株式市場も不安定になる中、ドルが下落している。為替相場の教科書では、金利が上昇する国の通貨は高金利を求める資金が流入することで上昇することになっているが、2018年には逆の現象となっている。
その原因は様々な批評家が様々な推測をしているが、どれも的を射ていないように思う。遅くはなってしまったが、筆者はその原因にようやく確信が持てたので、この記事で検証してみたい。
ジム・ロジャーズ氏、ジャンク債下落予想が的中も大損失
これまで書いてきた通り、ここでは昨年から金融引き締め相場におけるジャンク債の下落を予想し、そして2月の世界同時株安でそれは的中した。
しかし筆者の他にジャンク債の下落を的中させた人物がいる。かつてジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを立ち上げた投資家ジム・ロジャーズ氏である。