「米国の債券市場」カテゴリーアーカイブ

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信

前回の記事ではジョン・メイナード・ケインズと論陣を張り合った経済学者のフリードリヒ・フォン・ハイエク氏の主張が現在のコロナ禍における経済にぴったりと当てはまることを紹介した。

莫大な量的緩和と現金給付によりアメリカでは既に物価上昇が始まっているからである。

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6月FOMC結果は現状維持も株価下落の理由 債券市場と株式市場の綱引きが始まる

誰も気づいていないが、米国時間6月10日に米国の中央銀行Fed(連邦準備制度)が発表したFOMC会合結果はあまりにとぼけた結果だった。パウエル議長は市場を助けるふりをして実はタカ派のままなのかもしれない。

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金利上昇予想のガンドラック氏と低金利予想のダリオ氏、勝つのはどちらか

新型コロナによる下落相場のあと株式市場が反発を続けているのは周知の通りだが、その影でアメリカの長期金利がじわじわと上がっている。

低金利がこれまでの株価バブルを作り上げてきたように長期金利は株式市場に影響を及ぼすだけでなく、自動車や住宅のローン金利を通じて実体経済にも影響を与える。新型ウィルスによって空前絶後の不況が予想されるなか、市場の楽観は上げてはならないものまで上げ始めている。

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市場はインフレによるドル崩壊を予想していない

前回までは続けてレイ・ダリオ氏の1600年まで遡る通貨の繁栄と衰退の壮大な話を紹介してきた。

こうした超長期の視点で今の相場を見ることは近視眼的にならないために重要だが、一方で投資家としても個人としても今後100年がどうなるかの話とは別にまず今年どうなるかを考える必要がある。

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米国の量的緩和が限界に近づき失速へ 株価への影響は

世界の株式市場は新型コロナウィルスの世界的流行による株安相場からの反発が続いている。しかし筆者には現在の相場にはポジティブな要素がほとんどないように見える。実体経済が危機的状況にあるのはこれまで伝えているが、それに加えてアメリカの量的緩和が失速し始めたからである。

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4月FOMC結果はゼロ金利維持、アメリカも日銀と同じ運命か

アメリカの中央銀行Fed(連邦準備制度)は米国時間4月28日から29日まで金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、ゼロ金利の維持を決定した。米国の政策金利はコロナショックで0%-0.25%のレンジまで利下げされており、これを維持した形となる。

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