黒田総裁は表面上平静を保っているが、2015年末より明らかに日銀の金融緩和が市場に効いていない。このことについては以前より報じている通りである。
では日銀はもう効果的な追加緩和が出来ないのか? そうかもしれない。しかし効く効かないにかかわらず、手段が完全に枯渇したわけではない。この記事では可能性のあるあらゆる追加緩和の手段について網羅し、金融市場や経済への影響を考察したい。
黒田総裁は表面上平静を保っているが、2015年末より明らかに日銀の金融緩和が市場に効いていない。このことについては以前より報じている通りである。
では日銀はもう効果的な追加緩和が出来ないのか? そうかもしれない。しかし効く効かないにかかわらず、手段が完全に枯渇したわけではない。この記事では可能性のあるあらゆる追加緩和の手段について網羅し、金融市場や経済への影響を考察したい。
2016年も半ばに差し掛かっているが、この辺りで著名ファンドマネージャーたちの2016年相場見通しを振り返り、どれだけ当たっているかを採点してみようと思う。
ここでも随時取り上げてきた通り、年末から年始に掛けて、様々な著名投資家が2016年の金融市場を占っていたわけだが、その後の相場の推移はどうなっただろうか? ジョージ・ソロス氏やジム・ロジャーズ氏など、著名人の予想の結果を見てゆきたい。
2016年、金融市場は転換点にある。先進国は量的緩和やマイナス金利などの金融政策を総動員したものの、まともな景気回復はどの国でも見られていない。
こうした状況で各国の中銀は限られた追加緩和を出し切ってゆくのだろうが、その結果株式市場や長期金利がどうなってゆくかを考えるために一番重要な指標は物価指数である。したがってこの記事では日本の物価の見通しについて議論したい。
これはかなり古い情報なのだが、麻生財務相や財務省の考え方を端的に示しているので、一度取り上げておきたい。
この動画は2010年に麻生太郎氏が日本の債務問題について語ったときの様子であり、麻生氏は日本がギリシャのような財政破綻に陥る可能性を否定すると同時に、現在では驚くべきことだが、日銀による財政ファイナンスを明確に肯定している。
引き続き、ドイツの週刊ビジネス誌Wirtschaftsによるジョージ・ソロス氏のインタビュー(原文ドイツ語)の翻訳である。今回はギリシャ問題の先行きについてである。
量的緩和の為替市場や株式市場に対する効果はこれまで散々議論してきたが、その背景にある政治的意図について詳しく書いたことはなかったと思うので、一度記事にしておきたい。2回目の追加緩和があるかどうかということは、インフレ率やGDP成長率の問題ではなく、政治的問題だからである。
先ず、2013年4月に導入された日銀の量的緩和政策はどのような政治的経緯で決定されたものであったか? これは2012年後半に首相となった安倍氏が緩和的な金融政策を望み、その意向を汲んだ人物として黒田氏を日銀総裁に就任させた。
この時、総裁候補として他に有力であった人物に武藤敏郎氏がいたが、黒田氏と武藤氏に共通する経歴がある。大蔵省出身であるということである。
現在の金融市場では、株は高過ぎ、しかし空売りするには早すぎ、債券はバブルであり、為替はイベントがなく、金の買い場はまだ先であるという、グローバル・マクロの投資家にとって日照り続きの状況にあるが、ギリシャの国民投票をめぐる市場の混乱が事態を少し打開するのではないかと考えている。
国民投票は現地時間の7月5日に行われる。本稿では国民投票が債権団の提案に賛成した場合、反対した場合にそれぞれ何が起きるのかを纏め、それぞれの場合にどう投資すべきなのかを記しておきたい。
事前の調査では賛成と反対が拮抗
ギリシャが債権団の要求を飲むかどうかについて国民投票を行うと発表したことを受け、ギリシャのデフォルトが現実的となり、日本市場ではリスクオフの円高・株安となっているが、先ずドル円については120円を下回れば買いである。
ギ リシャの経済規模はあまりに小さく、ユーロ圏の1.7%であり、遠く離れた日本の金融市場は勿論、ユーロドルやユーロ圏経済のファンダメンタルズ自体に影響を与えることはできない。したがって、ドル円に関する見方は変わらず、以前書いた通り、115-120での買いは長期的に報われる可能性があるというこ とである。 続きを読む ギリシャデフォルト懸念で円高: ドル円、株式市場、債券市場はどうなるか?
2015年の4月末からユーロ圏の債券が軒並み下落したことについては前回の記事で述べたが、そのさなかに話題になったのが、著名債券投資家のビル・グロス氏の「ドイツ国債は一生に一度の売り場」発言である。
この発言は見事に的中し、発言のすぐ後、10年物のドイツ国債の利回りは0.1%から1%まで急上昇(価格は下落)したわけだが、あまりに時期ぴったりに当たりすぎたため、グロス氏自身はポジションを取り損ね、利益を得られなかったようである。彼の所属するジャナスによれば、同期間の彼の運用実績はマイナスとなっている。
わたし自身も、ドイツ国債が利回り0.1%に達したとき、割高だと考えながら空売りに踏み切らなかった一人であるから、彼の考えていたことが良く分かる。これはグロス氏だけでなく、多くの優れた投資家にとって意外なシナリオだったのである。 続きを読む 債券王ビル・グロス氏がドイツ国債空売りに失敗した理由