globalmacroresearch のすべての投稿

原油安はいつまで続くのか? 原油安をトレードする5つの方法

原油安に関する詳細な記事を書こうと考えていたら、ロイターにほとんど同じ内容の記事が載ったので、詳細はそちらに譲り、原油安に関する要点と、そして投資家はどのようにトレードすべきかについて書きたいと思う。

記事にもある通り、底値がいくらかという問題はさておき、原油安がどれくらい続くのかという問題は予測が比較的容易である。サウジアラビアがシェールオイル産業の一掃に本気である限り、その目的が達成されるまでは減産を行うことはないだろう。したがって、米国のシェール産業が実際に深刻なダメージを受けるまで、原油価格が反発する可能性は低い。 続きを読む 原油安はいつまで続くのか? 原油安をトレードする5つの方法

原油安は円安要因ではないかもしれない

12月19日、日銀の政策決定会合が開かれ、追加緩和後の金融政策を賛成8、反対1の賛成多数で決定した。

10月31日の追加緩和は原油価格の下落を受け発表された。当時80ドル程度であったWTI原油先物は更に下落を続け、現在55ドル前後まで下落しているが、原油安への黒田総裁の反応は、発言を字義通り受け取れば、追加緩和後の会見時のものとはやや異なるものであった。 続きを読む 原油安は円安要因ではないかもしれない

ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

ロシアルーブルを始めとする新興国・産油国通貨への懸念から、世界の金融市場でリスクオフの動きが進んでいる。

円やユーロが買われていることから、ドル高の動きではなく、各国の不動産株が売られていることから、デフレを懸念しているわけでもない。これまで蓄積されてきたグローバルマクロ的なポジションが、クリスマス休暇前ということもあり決済されているのである。今回は、とりわけドル円と各国の不動産株について、簡単にレビューしたい。 続きを読む ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

原油価格の急反発リスクを米保険株買いでヘッジする

原油価格が低迷している。サブプライム・ローン危機以降、平均して100ドル前後で推移してきた原油先物は、複数のマクロ要因で急落し、米国のWTI原油先物、英国のブレント原油先物ともに60ドルを割る勢いで取引されている。

原油価格の下落は世界経済には当然プラスであり、産油国サウジアラビアの動きを見るかぎり、この傾向は当分続くだろう。しかし、原油安が米国株の上昇に織り込まれていることや、日銀の金融政策に影響を及ぼしていることを考えれば、原油先物そのものを取引していない投資家にとっても、原油価格の行く末、とりわけ急反発の可能性を考えることは重要である。 続きを読む 原油価格の急反発リスクを米保険株買いでヘッジする

日米マネタリーベース比較: ドル円120円は妥当か

10月31日に日銀が金融緩和を決定した後、ドル円は122円の高値に触れ、現在は120円前後で推移している。110円前後からの急激な円安が、長期的な視野から妥当な水準であるのかどうかを考察する。

Screen Shot 2014-12-09 at 14.41.58 続きを読む 日米マネタリーベース比較: ドル円120円は妥当か

量的緩和相場は数年の熱狂のあと世界的なバブル崩壊で終わる

世界的な株高、債券高が進行している。FRBによる量的緩和の役割は日銀、ECB(欧州中央銀行)へと引き継がれ、FRBが緩和縮小を示唆したときの市場の動揺は消え失せた。この株高、債券高の傾向は今後も続くと思われるが、しかしこの量的緩和相場が行き着く先は何処であるのか、そしてそこへ辿り着くまでに市場はどのような道筋を辿るのかということを、今のうちに考えておくことは必要である。 続きを読む 量的緩和相場は数年の熱狂のあと世界的なバブル崩壊で終わる

平和不動産 (TYO:8803)は半分を利益確定、あとは不動産市場の成り行きを見守る

5月4日に推奨した平和不動産 (TYO:8803)について、前回の記事で説明した日本の不動産市場の展望の変化に基づき、25日の始値でポジションの半分を利益確定する。残り半分のポジションについては、オフィス空室率などの指標を見ながら決済のタイミングを探ってゆく。決済内容は下記の通り。

投資戦略: ロング

フォロー開始時株価: ¥1568

決済数量: 50%

決済時株価: ¥1880

決済分確定損益: 19.9%

景気後退にもかかわらずオフィス空室率は良好、企業の設備投資が個人消費の衰えを補う

前回の記事では消費増税後の日本の個人消費の衰えを確認したが、GDPの内訳において住宅投資がマイナス成長であるにもかかわらず、三鬼商事の発表するオフィスレポートでは、オフィスの空室率は10月に至るまでいまだ改善傾向にあることが示されている。

Screen Shot 2014-11-24 at 21.43.06 続きを読む 景気後退にもかかわらずオフィス空室率は良好、企業の設備投資が個人消費の衰えを補う

消費増税の悪影響は金融緩和、財政出動ではフォロー不可能

今月17日に発表された日本のGDPは2期連続でマイナス成長となり、景気後退入りが確認された。一般の報道では「アベノミクスでも拭えないデフレの悪影響」であるかのように報じられているが、景気後退の原因は4月に行われた消費増税である。より悪いことに、消費増税による悪影響は現状の金融・財政政策では拭いがたいものであり、量的緩和・財政出動以外の政策が求められる。まずはGDPの内訳を確認してゆきたい。

Screen Shot 2014-11-24 at 06.39.03 続きを読む 消費増税の悪影響は金融緩和、財政出動ではフォロー不可能