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ドル円暴落で円高対策に必死の安倍首相、しかしその努力は無駄である

最近のドル円急落がよほど堪えたのか、政府も日銀もかなり慌てふためいているようだが、その必死の努力も、そして日銀の追加緩和も、長期的なドル円の展望を変えることはないだろう。その展望とは、アメリカの金融緩和再開によるドル円暴落、そして日経平均の暴落である。

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ドル円のチャートは現状このようになっているが、当局の反応から見てゆこう。

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ジム・ロジャーズ氏: リーマンショック以上の市場暴落が来る、中央銀行は廃止すべき

著名投資家のジム・ロジャーズ氏がRTのインタビュー(原文英語)で、2016年の世界経済の動向について語っている。

ロジャーズ氏によれば、中央銀行の量的緩和が支えている金融バブルにはいずれ終わりが訪れ、そのバブルが破裂するときには2008年のサブプライムローン危機よりも酷い事態になるだろうと予言している。その理由は世界中で積み上がった負債とマネタリーベースである。

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原油高で米国シェール企業が原油先物売り、生き残りへ活路見出す

2016年前半、暴落していた原油価格が反発しているが、ロイター(原文英語)によれば、アメリカのシェール企業がその高値を利用し、将来の原油の売値をヘッジしているようである。

原油先物とは将来の原油価格を売買できる金融商品である。先物は金融市場で取引され、期限ごとに異なる価格は、何月に原油を受け渡せば、いくらの金額を得られるのかを示している。

例えば現在アメリカのWTI原油先物市場では、6月限の原油先物が45ドル、12月限の原油先物が48ドルで売られている。一般に受渡日の遠い先物の価格の方が高くなるのは、原油の保管にコストがかかるなどの理由であるが、この先物価格はそれぞれの期限の価格がかなりの程度連動するため、先物取引を利用すれば、生産業者は現在の市場価格で将来の分まで原油を売っておき、期限当日の原油価格がどうであれ、事前に先物を売っておいた値段で原油を売ることができるのである。

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2016年第1四半期米国GDP内訳: 緩やかな減速継続、ドル安を肯定

2016年1-3月期の米国のGDP速報が発表され、実質GDP成長率は1.95%(前年同期比、以下同じ)となり、前回の確報値1.98%からやや減速した。2015年中盤は2%を上回って推移していたから、量的緩和を停止して以来減速傾向が継続していることになる。

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内容は順に見てゆくが、象徴的であるのは全般的に弱いなかで住宅投資のみが堅調であることである。低金利によるバブルがアメリカ経済を支えているということである。

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最新原油価格見通し: 反発はだまし、シェール産業はまだ死んでいない

ここのところ原油価格が上昇しているが、それが長期的に続く可能性は低い。原油の供給の長期動向については以前から何も変わっておらず、変わったのは一度下がった原油価格だけであり、価格下落による一時的な供給減が、価格回復後も長期的に続くと考えるのは不合理だろう。

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上記はアメリカのWTI原油価格の推移を示すチャートである。30ドルからの反発で短期的には結構上がったように見えるが、このように中長期で見るとそれほど上がってもいない。このようにボラティリティの高い相場では、通常の値動きの範囲内である。

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4月28日日銀決定会合結果: 追加緩和見送りで円高株安となった理由

4月27日から28日にかけて、日本銀行は金融政策決定会合を開催し、量的緩和やマイナス金利など金融緩和の現状維持を決定した。これを受けて株式市場とドル円が急激に下落する反応を見せており、これははっきり言って意外であった。日銀のやることなどもう誰も気にしていないと思っていたからである。

この動きはいくつかのことを示唆しているが、先ずは金融市場の動向から見てゆこう。先ずはドル円のチャートである。

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4月FOMC会合結果速報: 利上げ見送り、声明文はプロの仕事ではない

4月26日から27日に米国のFed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を開催し、金融政策の維持、利上げの見送りを決定した。決定は満場一致ではなく、前回同様カンザスシティ連銀総裁のジョージ総裁が0.25%の利上げを主張した。

同時に発表された声明文の内容はいたって平易であり、差し障りの無い内容であるが、一応前回から変更された箇所を見てゆこう。

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2016年、アメリカの利上げで日経平均を空売りする

その絶好の機会が来るかもしれない。理由を順に説明してゆきたい。

先ず、読者には周知の通り、わたしは最近株式市場のポジションをすべて利益確定し精算した。これらは基本的に米国株を対象としたポジションであった。

その米国株は岐路に立っている。Fed(連邦準備制度)は利上げを躊躇っており、利上げ回数の見通しを引き下げた。アメリカの株式市場はこれを好意的に受け止め、世界同時株安から回復、史上最高値付近で推移している。

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2016年、日銀に残された追加緩和の手段とその影響を議論する

黒田総裁は表面上平静を保っているが、2015年末より明らかに日銀の金融緩和が市場に効いていない。このことについては以前より報じている通りである。

では日銀はもう効果的な追加緩和が出来ないのか? そうかもしれない。しかし効く効かないにかかわらず、手段が完全に枯渇したわけではない。この記事では可能性のあるあらゆる追加緩和の手段について網羅し、金融市場や経済への影響を考察したい。

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ドル円反発は本物か? 2016年、円安は再び長期トレンドになるか?

ドル円が反発している。これまでに指摘してきた通り、金利先物市場が織り込む2016年の利上げ回数がゼロというのは行き過ぎだったのであり、市場が再び利上げを織り込み始めているのである。現在の金利先物市場の織り込みは1回となっている。これでもFed(連邦準備制度)の主張する2回よりは少ないが、いずれにせよ今年の利上げ回数は1回か2回だろうと予想している。

このまま米国が利上げを行えばドルは上がり続け、ドル円は長期的にも上昇してゆくのか? この記事ではもう一度、ドル円の見通しを確認してみたい。

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