2015年の大晦日に起こった悲劇が今回も繰り返された。Telegraph(原文英語)によれば、2016年12月31日の深夜、オーストリア西部、アルプスの近くに位置するインスブルックで、浅黒い肌をした10人以下の男性の集団が、新年を祝う人々のお祭り騒ぎに乗じて現地の女性や旅行者の女性らに痴漢行為を行い、これまで19人の女性が被害届を出しているという。
globalmacroresearch のすべての投稿
2017年1月、ドル円と米国長期金利チャートが示すトランプ相場の資金の流れ
前回の記事では米国株について取り扱ったが、今回の記事ではドル円である。より厳密に言えば、ドル円を眺めていて少し気になったことを共有しておきたい。
2017年米国株と長期金利見通し、相場観まとめ
2017年は先ず世界の金融市場を俯瞰しなおすことから始めたいと思う。2016年の終盤にはトランプ相場で世界の金融市場は景気回復を織り込む形で推移した。
しかし世界経済は金利上昇という爆弾を抱えている。1980年代のレーガノミクスの頃から金利は下がり続けてきたのであり、経済成長と株高はこの金利の長期下落トレンドに支えられてきたバブルなのである。
こうした状況を踏まえた上で2017年の相場はどうなるのか? 様々な要素が複雑に絡み合う今年の相場では、一つの資産クラスについての予想はほとんど意味を持たないが、先ずは米国株と長期金利について現状分かっていることを纏めたいと思う。
モンテパスキ問題に見るイタリアとドイツの軋轢
イタリアで1472年に創業された世界最古の銀行であるモンテパスキ銀行に公的資金の注入が決定された。ユーロが導入されて以来、ユーロ圏経済は不安定な状態にあり、その一番の結果はヨーロッパの銀行が抱える不良債権である。
その不良債権を多く抱えたモンテパスキは以前より破綻が指摘されていたが、ついに資金繰りが上手く行かなくなったということである。
ECB(ヨーロッパ中央銀行)の試算によれば、モンテパスキ救済には88億ユーロの資金が必要となるとされ、これはイタリアのGDPのおよそ0.5%に相当する。これがどの程度の規模かと言えば、例えば2008年の金融危機におけるバンク・オブ・アメリカの救済には当時のアメリカのGDPのおよそ0.3%に相当する公的資金が使われたから、0.5%というのは一つの銀行を救う資金としてはかなりの額である。
レーガノミクスで減税と公共事業は高金利の悪影響に勝てなかった
アメリカのロナルド・レーガン大統領の経済政策、いわゆるレーガノミクスについて、一度纏めておく必要があるだろうと思ったので、今回の記事で取り上げておきたい。
1981年から1989年まで続いたレーガン政権は、減税と財政出動を最大限行った政権であり、しかもその8年の任期は初期の金融引き締め期とその後の金融緩和期の二つの時期に分けられる。この意味ではレーガン政権は、財政政策が景気刺激としてどれだけ機能するのか、そしてそれは金融緩和なしでも持続可能だったのかという二つの問いに対する実験を実際に行った政権であり、その実験結果は現代の投資家にとっても興味深いものと言えるだろう。
トランプ相場: アメリカの消費者の余力を示す2つの経済指標
前回の記事で報じた通り、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は、トランプ政権がアメリカの消費者や企業の購買意欲を喚起する可能性があると指摘している。
一方で、トランプ氏が大統領選挙で勝利するまで、ヘッジファンドマネージャーらの間では先進国の需要減速は慢性的なものであるとの見方が支配的だった。
では、トランプ大統領は本当にマクロ経済的トレンドのすべてを一人でひっくり返してしまうのだろうか? この疑問に答えを出すためには、先ずアメリカの消費者には余力があるのか、そしてその余力を使う気があるのか、という二つの論題について考える必要があるだろう。
レイ・ダリオ氏: トランプ政権は消費者や企業のアニマル・スピリットを喚起する
世界最大のヘッジファンドであるBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInに再び寄稿(原文英語)し、より踏み込んだトランプ政権の批評を行っているので取り上げたい。
ベルリンのトラック突入大量殺人の容疑者は誤認逮捕、真犯人は逃走中
こんな馬鹿な話があるのかと思ったが、報道されている事実のようである。
ベルリンで難民がトラックで群衆を轢き殺してもドイツ人が移民政策を支持する理由
12月19日、ドイツの首都ベルリンでパキスタン人難民申請者がトラックに乗りクリスマス市場の群衆に突撃、12名が死亡、48人程度が重症を含め負傷した。Telegraph(原文英語)などが伝えている。
容疑者は2016年2月にドイツに難民として来た23歳のパキスタン人の男性という。ドイツ警察は事件を受けて難民施設を捜索した。
トランプ政権が超長期債発行でジャンク債は暴落する
DoubleLine Capitalの債券投資家ジェフリー・ガントラック氏がアメリカの長期金利高騰を懸念して、3%を超える事態となれば高利回りのジャンク債が暴落すると予想したことは伝えたが、2017年ジャンク債暴落にはもう一つのシナリオがある。
それが何かと言えば、トランプ政権による超長期債、つまり50年物国債などの発行である。個人投資家の読者には債券市場はあまり馴染みがないものと予想するが、トランプ相場を予測する上で債券の金利は非常に重要であるので、アメリカの債券について連日取り上げている。