これまではアメリカとヨーロッパが新型コロナウィルスの流行の中心地だったため海外の感染者数を主に伝えていたが、先週から日本の感染者数に怪しい動きがあったためそちらも伝えていた。そしてその懸念が当たったようである。
日本が感染の中心地になるか
まずはヨーロッパで流行の中心地となったイタリアの感染者数の推移を掲載しよう。
- 3月20日: 47,021人 (+5,986 +15%)
- 3月21日: 53,578人 (+6,557 +14%)
- 3月22日: 59,138人 (+5,560 +10%)
- 3月23日: 63,927人 (+4,789 +8.1%)
- 3月24日: 69,176人 (+5,249 +8.2%)
- 3月25日: 74,386人 (+5,210 +7.5%)
- 3月26日: 80,539人 (+6,147 +8.3%)
- 3月27日: 86,498人 (+5,959 +7.4%)
- 3月28日: 92,472人 (+5,974 +6.8%)
- 3月29日: 97,689人 (+5,217 +5.6%)
イタリアでは既に感染者数の増加がピークに達している。21日に6,557人に達した後それを上回っていない。増加率は20%台から10%台になり、その後1桁で推移している。イタリアでは国土全体が封鎖されている。
そして次はスペインである。
- 3月19日: 18,077人 (+3,308 +22%)
- 3月20日: 21,571人 (+3,494 +19%)
- 3月21日: 25,496人 (+3,925 +18%)
- 3月22日: 29,909人 (+4,413 +17%)
- 3月23日: 35,480人 (+5,571 +19%)
- 3月24日: 42,058人 (+6,578 +19%)
- 3月25日: 50,105人 (+8,074 +19%)
- 3月26日: 57,786人 (+7,521 +15%)
- 3月27日: 65,719人 (+7,933 +14%)
- 3月28日: 73,232人 (+7,513 +11%)
こちらも大規模な封鎖措置により増加率は落ち着きを見せているように思える。
また、中国を超え最大の感染者数を出すことになったアメリカでは次のようになっている。
- 3月19日: 12,018人 (+3,944 +49%)
- 3月20日: 17,438人 (+5,420 +45%)
- 3月21日: 23,710人 (+6,272 +36%)
- 3月22日: 32,341人 (+8,631 +36%)
- 3月23日: 42,749人 (+10,408 +32%)
- 3月24日: 52,685人 (+9,936 +23%)
- 3月25日: 64,916人 (+12,231 +23%)
- 3月26日: 81,964人 (+17,048 +26%)
- 3月27日: 100,997人 (+19,033 +23%)
- 3月28日: 121,099人 (+20,102 +20%)
アメリカでは州ごとではあるものの広範囲で封鎖措置が行われている。増加率は20%をキープしているものの下落傾向にある。
そして逆にここから20%の増加率を目指そうとしている国がある。日本である。
- 3月20日: 1,007人 (+57 +6.0%)
- 3月21日: 1,054人 (+47 +3.9%)
- 3月22日: 1,086人 (+32 +3.0%)
- 3月23日: 1,128人 (+42 +3.9%)
- 3月24日: 1,193人 (+65 +5.7%)
- 3月25日: 1,291人 (+98 +8.3%)
- 3月26日: 1,387人 (+86 +7.4%)
- 3月27日: 1,499人 (+112 +8.1%)
- 3月28日: 1,662人 (+163 +10.9%)
- 3月29日: 1,893人 (+171 +13.9%)
日本では日本人の衛生観念のお陰かこれまで低い増加率を保っていた。しかし3月に入って欧米諸国との国境が閉じられたため、急いで帰国した日本人が多かったものと思われる。
これまでアメリカとヨーロッパの感染者数の推移を長らくモニターしてきたここの読者ならばお分かりと思うが、この数字が10%台前半で留まることはない。高確率で20%台、悪ければ30%台となってイタリアやアメリカと同じ経路を辿るだろう。そしてそれは全国的な封鎖措置ありでその数字ということになる。
イタリアがピーク到達まで1ヶ月以上かかったことを考えると、日本は4月か5月前半が山場ということになるだろう。
相場への影響
前にも言及したことだが、投資家としてはこういう状況では流行状況が最悪の地域に賭けておくのが良手である。状況が最悪ならばこれ以上悪くなることはなく、その最悪の状況は株価に織り込まれている。しかし最悪でなければこれから最悪になりかねないということである。
最悪ではないために投資対象にならないというのが3月半ばの日本の状況だった。先週の記事にこう書いたことを思い出してもらいたい。
日経平均はここ数日、海外の株高の流れに沿って反発しているが、あまりに楽観が過ぎるようであれば東京封鎖で直接ダメージを受ける日本株の個別銘柄の空売りを行なっても良いだろう。その一方で叩き売られた海外の優良銘柄を買ってゆけば良いリスクヘッジとなる。
適切なポジションを取れただろうか。逆に買える銘柄については以下の記事を参考にしてもらいたい。