中国武漢発の新型コロナウィルス肺炎だが、ヨーロッパの流行状況がいよいよ深刻になってきた。
最新の感染情報
中国から始まり、最初は香港などに飛び火した新型ウィルスだが、ミラノを含むイタリア北部のロンバルディア州で感染者が急増し、その後ドイツやフランスに流行が広がっていたことは報じた通りである。
また、金融市場にもっとも影響が大きいと思われる米国での流行拡大も懸念されていた。
最新の感染者数だが、次のようになっている。
- イタリア: 7,375人
- フランス: 1,126人
- ドイツ: 1,040人
- スペイン: 673人
- 米国: 554人
- 日本: 502人
- スイス: 337人
ヨーロッパでの感染が本当に深刻な状況になってきた。月曜日の株式市場はこれを織り込んだ状態で始まることになる。因みに市場が週末で休みになる前の金曜日のデータと比べるとイタリアでは4,636人から7,375人、フランスでは613人から1,126人、ドイツでは534人から1,040人となっており、驚くべきスピードで流行が拡大している。
ちなみにヨーロッパではこの期に及んで大半の人々がマスクをしていない。それで電車でも公共の場でも平気で咳をしている。西洋人は基本的に他文化から学ぶことのできない人々である。彼らにとってマスクは「アジア人の奇妙な習慣」であって、こうした状況にあってもそれを真似することには無意識的抵抗があるのである。
米国での感染拡大
さて、数字としてはヨーロッパの流行拡大が目立つが、金融市場にとって一番大きいのは米国での感染拡大が確定的になったことだろう。2月の初めにレイ・ダリオ氏が、株式市場への影響は感染の中心地となる国では大きく、それ以外の地域ではそれほどでもないと言っていた。
それは正しいのだが、ダリオ氏が見逃したのは、世界中が「感染の中心地」になるということである。それでダリオ氏の予想通りに米国株は「感染の中心地」にふさわしい値動きをすることとなった。
さて、新型ウィルスのこうした状況を織り込んでドル円が更に急落している。
ドル円については既に記事に書いておいた。
今週も荒れた相場になりそうである。そして来週にはアメリカの金融政策を決定するFOMC会合も控えている。
投資家にとってはここから数週間が山場になるだろう。何度も言うが、来年になれば新型ウィルスのことなど皆忘れている。それでも底は4月前後になるだろうということは、1月から説明しておいた通りである。