新型肺炎患者数、欧州で爆発的増加

引き続き新型コロナウィルス肺炎の最新情報である。ヨーロッパでも感染が広がっていることで株価が急落しているが、土日の間は金融市場が閉まっていたため月曜日からの相場を占う上では週末の間に患者数がどれだけ増えたのかを確認しておく必要があるだろう。

ヨーロッパなどで流行拡大

結論から言えばヨーロッパで患者数が大幅に増加した。イタリアでは金曜日の888人から1,694人に、フランスでは57人から130人に、ドイツでは53人から129人に増加している。ちなみにヨーロッパ内(国境検査のないシェンゲン圏内)では未だに国境が閉鎖されていない。これでヨーロッパ全土での流行はほぼ確実となったと言えるだろう。

一方で金融市場にとっては一番影響の大きいと思われるアメリカでの感染者数は66人から73人の微増に留まっている。一方でその内容を見てみると、2月26日から感染経路不明の感染が出始めているため、アメリカ国内でも未確認の流行が広がりつつあることは確かなようである。

先進国における感染者数の増加(現地時間金曜日から日本時間月曜朝まで)を纏めると次のようになる。

  • イタリア: 888人から1694人
  • 日本: 233人から256人
  • フランス: 57人から130人
  • ドイツ: 53人から129人
  • スペイン: 44人から84人
  • アメリカ: 66人から73人
  • イギリス: 18人から36人

ヨーロッパでの拡大速度がすさまじい。基本的に西洋圏ではマスクをする習慣がなく、感染が広がっているミラノでも多くの人がマスクをしていない。しかし電車で全員がマスクをしている環境と全員がマスクをしていない環境ではどちらの感染拡大が早いかは火を見るより明らかである。

WHOが早い段階で「マスクの着用は不要」とメッセージを出したことも原因の1つだろう。以下の記事で書いたように、WHOは感染者数を意図的に隠していた中国に対して「中国の対応は並外れている」と絶賛した組織である。

基本的に国際機関の言うことは信じてはいけない。SNS上のフェイクニュースを取り締まりたいなら、まず彼らから取り締まるべきだろう。本当に優秀で政治的バイアスに左右されない人間は国際機関に行ったりはしないのである。

相場の動向

基本的には今週の相場がどういう相場になるかについては、前回の記事に書いたのでそちらを参考にしてほしい。

端的に言えば感染拡大と中央銀行の流動性のどちらが勝つかという話である。ただ上記の感染状況を考えると、仮に流動性が勝って短期的に株価が反発したとしても今週か来週にアメリカでの感染拡大が確認されて再び下落するシナリオがまだ残っていることを頭に置いておかなければならない。

基本的に相場の世界では悪いニュースがまだ出ていないことは悪材料である。逆に悪いニュースがすべて出切った時こそが買いのチャンスなのである。

もし週末の時点でアメリカでの流行拡大が確認されていれば買いにも迎えるだろうが、まだネガティブなシナリオが起きる可能性が残っているという点で個人的には買いのタイミングはまだである。

また、以下の2つの記事で書いたようにアメリカが利下げ余力をすべて使い切るという最悪のシナリオもまだ残っている。

ただ、やはり一番の懸念はアメリカ国内の感染拡大だろう。これからも優先して報じてゆくつもりである。