日経平均の空売りを利益確定、ドル円の空売りへ完全移行

タイミングについてずっと考えていたが、そろそろそうするべきだろうと思う。

昨年始めた株の空売り

ここの読者には周知の通り、株の空売りを考え始めたのは昨年のことである。最初に、7月の記事でアメリカの実体経済の好調が金融引き締めを継続させ、それが株安の原因となると書いたのが始まりである。

この記事では「新興国市場の暴落が先進国に波及する」「日本株は当然のこと、米国株まで含め、世界の株式市場は下落相場を経験するだろう」と書いた。予想としてはほぼ完璧なものではないかと思う。

そしてその後、筆者はタイミングを見計らって実際に空売りを開始した。上記の記事から1ヶ月後の以下の記事でそれを表明している。

ただ、この時点ではまだ日経平均の空売りは大きなポジションではなかった。ここでは「このままドル円より日経平均が堅調となる状況が続くのであれば、日経平均の空売りを更に増やす」としており、それは事実その通りになるのである。その次の月である9月に株価は頂点に向けて上昇し、筆者の空売りの仕込みは完了することになる。

そしてその後、日経平均は暴落した。当時から現時点まで、日経平均のチャートは次のようになっている。

結果として、筆者の日経平均の空売りポジションは平均して23000円台半ばで作られているため、現在までの下落幅は15%弱ということになる。米国株ではなく日本株の空売りとしたことも、やはり正解だったと言える。米国株は日本株ほどの下落にはなっていないからである。銘柄選択は重要である。

日経平均からドル円へ

しかしながら、年始からお伝えしている通り、筆者は日経平均の空売りポジションをただ手仕舞うのではなく、手仕舞った分をドル円の空売りに転換して投資を継続しており、今回の利益確定もそういう意味で取ってもらいたい。このような十年来の面白いトレードをここで止めるわけがないのである。

ドル円への移行自体は年始から始めているが、ここで完全に移行したことについては、日経平均が下がらないと考えているからではない。

ただ、日経平均はFed(連邦準備制度)のパウエル議長が利下げを考えるたびに、その利下げが下落を止めるために十分な支援材料かどうかということを思案しながらトレンドを形成してゆくことになるだろう。

一方で、中央銀行がここから緩和に寄るしかないという予想が正しければ、それはドル円にとっては一方的な下げ圧力となる。そう考えれば、仮に日経平均がここから更に下がるとしても、ドル円の売りの方が有利な投資対象と言えるだろう。利下げが株にとって十分な支援材料になるかを迷うよりも、投資家は単にすべての状況がその銘柄にとって不利となるような銘柄を空売りすれば良いのである。

ドル円については、日銀にとって年貢の納め時と言えるような相場になるのではないか。中央銀行といえども為替相場を永遠に操作するようなことは出来ないのである。