2019年となったが、日本市場が年末年始で休みの間に円高ドル安が進んでいる。海外ではクリスマス休暇などはあるが、年末年始の休日は日本ほど多くないため、為替市場は開いている日もあるからである。
2018年10月からの世界同時株安は今なお継続しており、読者は周知の通りこの動きはわたしの予想通りである。
ただ、想定していたよりも更に速い下落速度となっており、長期的には緩やかな下落の方が最終的な下げ幅は大きくなるため、株を空売りしている投資家としてはもう少し短期的な反発がほしいところではある。米国株のチャートは次のようになっている。
さて、今回取り上げたいのはドル円である。先ず、ドル円に関しては昨年7月に空売りを開始しており、これは筆者が日経平均の空売りを始めた8月末よりも早い時期である。
当時、株式市場の天井を探っていた筆者が先にドル円の空売りを始めた理由は、株式市場がアメリカの金融引き締めで暴落するのに対して、ドル円は金融引き締めの継続でも停止でも下落することになるということが理由である。上記の7月の記事には次のように書いている。
今後、世界の金融市場には2つの方向性が存在する。金融引き締めの弱気相場がついに米国市場にまで到達し、世界的なリスクオフになるか、そうなる前にFedが金融引き締めを止めるかである。
ここで考えてもらいたいのは、どちらになってもドル円には悪材料だということである。世界的な弱気相場となればリスクオフで円高となり、金融引き締め撤回になればアメリカの金利低下でドル安となる。どちらにしてもドル円は下落するのである。
この判断は奏功し、この記事を書いた7月半ば以降、株式市場は更に上昇を続けたが、ドル円の上昇幅は限られた。しかし一方で、10月に株式市場が暴落した後もドル円は暴落とはならず、113円前後で下落せずに耐え続けることとなった。
しかしここではドル円が下落を免れないことを一貫して書いてきた。例えば12月の記事には次のように書いている。
今一番注目したいのはドルの行方である。筆者は日経平均とともにドル円も空売りしているが、こちらはまだ下落していない。
しかし株価の暴落を止める手段がアメリカの金融引き締めの停止および金融緩和だけであるとすれば、ドルが下落するのは必然であると言える。一方で円安になる要素はほとんどない。日銀は追加緩和の手段をもうほとんど持っていないからである。
株の空売りは十分に成功しており、筆者は次のシナリオに注目している。一方で、世の中の大半は世界同時株安の原因にさえまだ気付いていないと言えるだろう。すべてが遅いのである。
そしてこの記事の直後にドル円は急落を開始し、年末年始の下げ幅拡大を経てドル円のチャートは次のようになっている。
予想通りである。
ドル円に限らず、下落後の記事は下落前に説明したことの復習になってしまい申し訳ないが、いつものことである。今後も世界の金融市場の動きを事前に報じてゆきたい。