12月20日の午後から米国市場(日本時間で深夜)にかけてドル円が急落した。
報じていた通り、世界同時株安で日経平均が下落しているにもかかわらず、ドル円はまだ落ちてはいなかった。しかし市場はFOMC会合におけるパウエル議長の発言を様々な形で織り込もうとしているようである。ドル円のチャートは以下である。
その直前、日本時間で20日昼の記事には次のように書いている。記事の時点でドル円は112円台半ばを維持していた。
株価の暴落を止める手段がアメリカの金融引き締めの停止および金融緩和だけであるとすれば、ドルが下落するのは必然であると言える。一方で円安になる要素はほとんどない。日銀は追加緩和の手段をもうほとんど持っていないからである。
株の空売りは十分に成功しており、筆者は次のシナリオに注目している。一方で、世の中の大半は世界同時株安の原因にさえまだ気付いていないと言えるだろう。すべてが遅いのである。
このように、暴落相場では複数の銘柄に賭けることによって同じ暴落相場を何度もトレードすることが出来る。株と為替の他には米国債をトレードする(つまり米国の金利の上下を予想する)ことも出来るのだが、金利と株価が連動している現状では株の空売りと被ってしまうので、個人的には株の空売りに集中している。
ドル円についても短期的な動きを予想するつもりはないのだが、パウエル議長が金融引き締めに強気の姿勢を示したにもかかわらずドル円が下落した理由が分かりにくければ、ここの記事が参考になっただろう。
株式市場も引き続き下落している。前回の記事で次のように書いたことを思い出してもらいたい。
バランスシート縮小が市場崩壊を引き起こすと考えて空売りをしている筆者のような投資家にとっては、当然ながらパウエル議長がバランスシート縮小を撤回することだけが懸念材料であり、12月の会合でそれが行われる確率は低かったものの、基本的にはFOMC会合だけがその可能性のあるイベントであることは確かである。
そしてその会合において、パウエル議長は親切にもバランスシート縮小を撤回しないことを表明してくれた。これは次の会合までの1ヶ月半、売り方は基本的に株安が止まる唯一のシナリオを恐れなくて良いということを意味する。