市場がやや荒れている。ドル円は順当に下落しており、日経平均も値動きが荒々しくなってきた。
主流メディアではトルコリラの暴落が原因だとか、トランプ大統領の貿易戦争が原因だとか、色々言われているが、そうしたものは一切本質的な原因ではない。すべてはアメリカの金融引き締めによって、2008年以来ばら撒かれた量的緩和マネーが大量流出しているのである。
下落相場ではいつものことだが、ニュースで報じられるような相場下落の原因は単なる下落の口実であり、本当の原因はいつも一部のヘッジファンドマネージャーだけが理解しているのである。特にトルコリラに関しては原因であるどころか、むしろ金融引き締めの結果である。
もしそうではないと言う人が居るならば、トルコやアメリカの問題で、日本のマザーズやJASDAQ指数が日経平均ではなく中国株と連動しながら既に暴落している理由を説明できるだろうか。
あるいは、アベノミクス以来密接に相関してきたドル円とアメリカの実質金利が、今年2月の世界同時株安以来乖離し始めている理由が説明できるだろうか。この乖離は過去に遡るとリーマンショック時にも起こったものである。
以下にリーマンショック時のチャートも再び掲載しておこう。これが何を意味するかは、上記の記事を参照してほしい。
こうしたものを説明できなければ、今金融市場で何が起こっているのかを本当に理解することは出来ないのである。