世界最大のヘッジファンド、米国金融引き締めでも株式市場を買い持ち

世界最大のヘッジファンド、Bridgewaterを率いるレイ・ダリオ氏が、Fed(連邦準備制度)の進める利上げとバランスシート縮小の中でも株式を買い持ちしていることを明かした。CNBS(原文英語)が伝えている。

金融引き締めで長期金利が上昇し、株式市場への影響が懸念されているなかで、ダリオ氏は株式の弱気相場を予想しているかと聞かれ、次のように答えた。

答えはNo。Bridgewaterは株式を買い持ちにし続けている。

2017年10月現在のことはまだ分からないが、四半期ごとに公表される機関投資家の情報開示によれば、Bridgewaterは確かに株式市場に賭けているように見える。しかし、少なくとも6月末の時点では、その主な対象は米国株ではなかったようである。以下の記事で報じている。

あと数週間で9月末のポートフォリオも公開される。それについても報じたいと思っている。政敵であるトランプ氏が大統領選に勝って以来、表舞台に顔を出していないジョージ・ソロス氏の開示情報も気になるところである。

株式市場と債券市場

株式を買い持ちしていると表明したダリオ氏だが、少なくとも金融引き締めの債券市場への影響は不可避だと考えているらしい。

市場は現在、2008年から2017年までの環境とは全く違う新たな環境へと以降しつつある。それは長期サイクルの終わりの部分に差し掛かったことを意味する。それは引き締めが来る時期である。引き締めは徐々により深刻なものになってゆく。債券市場には顕著なリスクが存在しているように思える。

債券市場へのネガティブな要因は中央銀行による金融引き締めだけではない。トランプ政権の減税やインフラ投資なども債券安、つまり金利高の原因になる。

多分、より政府債務が増える結果になるだろう。そうなればより多くの国債が発行され、供給過剰から債券が売られる結果になる。

そして金利高はドル高要因である。財政赤字がドル高に繋がる構図は、プラザ合意の頃に似ている。

もうすぐFedの次期議長も決まる。しかし、誰に決まったとしても、金融引き締めから金利高、ドル高の大まかな傾向が変わることはないだろう。