5月7日に行われたフランス大統領選挙の決選投票の初期の開票結果が発表され、親EU、親グローバリズムのエマニュエル・マクロン氏の当選が確実となったことが分かった。Guardian(原文英語)などが報じている。
得票率はマクロン氏が65.1%に対して反EU、反グローバリズムのルペン氏が34.9%と、事前の世論調査よりもマクロン氏のリードが広がった形となる。
「ヨーロッパの結束」などの感情的なワードに呼応するフランス人らしい結果となったと言えるのではないか。これまでの記事で何度も報じている通り、EUの政策がもたらした混乱はヨーロッパ中で大きな議論を呼んでいたが、フランス人はそれでも現状維持を選択した。
金融市場では、反EUのルペン氏が敗北したことでユーロにはプラス、欧州株もリスクオンに向かう結果となるが、第一回投票でマクロン氏が勝ち残った段階でこの結果がほぼ織り込まれているため、選挙結果への反応は短期的なものに留まり、市場の関心は速やかにアメリカの金融政策などその他の部分へ向かうだろう。
EUの今後については、イタリア総選挙という大きなイベントが残っている。
フランスとは異なり、イタリア経済はユーロに加盟したことで受けたダメージの度合いが大きい。
イギリス人は反EU、フランス人は親EUを選んだが、それぞれの国民性に沿った選択と言えるのではないか。イタリア人はどうするだろうか? 彼らの選択を見守りたい。