AIプラットフォームのPalantir、年始から347%の株価上昇

AI銘柄の筆頭といえばAIの演算を行なうGPUを製造するNVIDIAだが、ここでは他にもいくつかのAI銘柄を紹介している。

今回の記事ではもう1つ今年大幅に上がったAI銘柄を紹介したい。

AIプラットフォームのPalantir

Palantir TechnologiesはAIプラットフォームを提供するソフトウェア企業である。PaypalとOpenAIを創業し、Facebookの最初期の投資家としても知られるピーター・ティール氏らによって創業されている。

AIプラットフォームとは、AIの元になっているソフトウェアであるLLM(大規模言語モデル)を取りまとめて、企業がAIを扱いやすい形で纏めたものである。

AIはChatGPTなどのチャットサービスの形で一般には知られているが、元となるソフトウェアは別にあり、例えばChatGPTはGPT-4oと呼ばれるLLMを使っている。

PalantirはGoogleやAmazon.comなど他の企業も提供しているLLMを取りまとめ、チャットシステムとは別の形でも利用者がAIを利用できる形で提供しているのである。

Palantirの株価上昇

この意味で、PalantirはAI銘柄の本命の1つであると言える。特に、ChatGPTを提供するOpenAIが非公開企業であることを考えれば、投資家にとってAIに直接投資できる一番の銘柄だと言えるかもしれない。

それでPalantirの株価は今年大幅に上がってきた。株価チャートは次のようになっている。

年始から+347%の株価上昇となっている。4倍以上である。

Palantirのバリュエーション

さて、ではPalantirのバリュエーションはどうなのか。アナリスト予想の平均によれば、Palantirの2025年の1株当たり純利益は0.47ドルであり、この数字を元に計算した株価収益率は161倍ということになる。

ちなみに2024年から2025年への利益の成長率は24%であり、高成長だが他のAI銘柄ほどの高成長ではない。例えばNVIDIAの利益成長率は50%であり、株価収益率は30倍である。

Palantirがこれだけのバリュエーションになっている理由は、やはりAIに直接関係しているソフトウェア企業だからという点が大きいだろう。確かに将来の利益成長は大きそうだが、5年から10年の成長を既に織り込んでいる価格に見える。

結論

ちなみにPalantirの初期の投資家としてはスタンレー・ドラッケンミラー氏が知られているが、9月末の開示によればドラッケンミラー氏はPalantirの株のほとんどの売却したらしい。

株価が30ドル程度だった頃であり、株価収益率は60倍程度だった。ドラッケンミラー氏はNVIDIAの2倍の株価収益率は無理だと考えて売却したのだろうが、結局Palantirはその後も上がっている。

だが筆者はドラッケンミラー氏の判断が妥当だと思う。こうした銘柄をウォッチしておく意味は2つある。1つは、AIといえども過去のインターネットバブルの時のように、短期的にバブルが弾けるタイミングがあるだろうから、そういう時にはこういう銘柄が真っ先に落ちてゆくということ。

そしてそういう銘柄がそういうタイミングに下落しきった後には、その時は買いだということである。

以下の記事で説明したが、AI関連銘柄としては筆者はLumentumを推している。Palantirよりよほど割安で利益成長率も高い。