DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がCNBCのインタビューでドル相場の見通しについて語っている。
アメリカの金利とドル相場
ガンドラック氏はアメリカのインフレ率が2%以下まで下がると予想しながら、長期金利は上昇すると予想している。
その理由はコロナ後に金利上昇で政府債務に多額の利払いが発生していることにより、アメリカ政府は国債の大量発行に追われ、国債価格が下落すると予想しているからである。
さて、ではドルはどうなるのだろうか? ドルの金利は当然ドル相場に影響するから、次の疑問はドル相場である。
ガンドラック氏はドルと金利の関係について次のように述べている。
ドルは金利と極めて密接に相関しているように見える。ドル指数のチャートと10年物国債の金利を重ねてみれば、それはほとんど同じチャートだ。
金利は上がっているのでドルがそれを支えているということだ。
金利が上がればドルを保有するメリットが増えるので、当然である。まずはアメリカの10年物国債の金利のチャートを見ると次のようになっている。
ドル円のチャートは以下の通りである。
確かにほぼ同じチャートである。
ドル相場の見通し
ということは、ドルは今後どうなるのか。ガンドラック氏は次のように予想している。
財政赤字への懸念で長期金利が上昇圧力を受けるというわたしの予想が正しければ、恐らくドルはまだ上がるだろう。
ドルは米国債の金利に大きく影響されている。極めて強い相関関係がもうかなりの間続いており、それが変わると予想する理由もないので、その状況は続くだろう。
但し、ガンドラック氏は金利と株価が数ヶ月上昇を続けていることから、短期的には振り戻しが来ると予想しており、現実に過去1週間ほどそうなっているが、このインタビューはそれより前のものなので、そこまで含めてガンドラック氏の予想は当たっている。
ちなみにドルと金利の相関については筆者は何処かで途切れると考えている。米国債とドルが両方売られるタイミングが恐らく5年以内に来る。レイ・ダリオ氏の米国債暴落予想と同じである。
だが今のところその兆候はまだ見られない。そのタイミングはまだである。