AI銘柄のCoherentを37%上昇で利確、SDGs銘柄のSmurfitを新規買い

去年NVIDIAの大幅上昇を当てた後、筆者はNVIDIAの次のAI銘柄としてCoherentとLumentumを買っていたが、そろそろ少しポジションを調整したいと思う。

株価が急騰するAI銘柄

現在売上高の成長が著しい分野と言えばやはりAIである。AIの複雑な計算に使われるGPUを作っているNVIDIAが大幅に上昇していることは多くの人が知っているだろう。

筆者も去年からこの銘柄を推奨していたが、去年ほどの割安ではなくなったことから次のAI銘柄へとシフトした。それがCoherentとLumentumである。

CoherentとLumentumは、NVIDIAの作るGPU間の通信を高速で行なうための光トランシーバーを製造する会社である。

光トランシーバーは光ファイバーを通る光信号をデータに変換するもので、光ファイバーのある所には何処にでも使われているが、AIに対応したデータセンターで高速なものが急に求められるようになり、AI需要で売上高がNVIDIA並に成長しているのである。

Coherentを利益確定

光トランシーバーの製造についてはCoherentが業界1位であり、Lumentumが業界2位である。だが今回、業界1位のCoherentを利確して、Lumentumを残そうと思う。

Coherentの株価は次のように推移している。

8月の推奨開始から37%の株価上昇である。だが一方で業界2位のLumentumは推奨時から71%上昇している。

何故差がついたか

Coherentはもともとスタンレー・ドラッケンミラー氏が最大ポジションとしていた銘柄である。

だが筆者はCoherentだけでなく業界2位のLumentumも紹介した上で、次のように書いておいた。

Lumentumの株価はまだまだ動いていない。ドラッケンミラー氏がCoherentに目をつけたのと同様、市場でも先ずは業界1位が注目される可能性が高いだろうが、売上高構成を見れば最終的な上昇幅はLumentumが上回るかもしれない。

そして実際そうなった。当初はCoherentの方が強かったが、そこからLumentumが追い上げていった。

その理由は、売上高に占める光トランシーバーの割合がLumentumの方が多いからである。Coherentは他の商品も扱っている。だがLumentumの場合はAI需要で売上が急増している商品の割合が大きく、その分会社全体での売上高成長率もCoherentより高いというわけである。

ドラッケンミラー氏はLumentumを買っていなかったが、この読みに関しては筆者が正しかったということだろう。

今後の利益推移

アナリスト予想の平均値によれば、2026年時点でのCoherentの1株当たり利益は4.38ドル、利益成長率は46%、株価収益率は24倍になると予想されている。

勿論悪くない数字である。だがこれをNVIDIAと比べてみると、NVIDIAの2026年時点での利益成長率は48%、株価収益率は33倍と予想されている。

つまり成長率はほぼ同じで、株価収益率は多少違うが、かなり追いついてきている。NVIDIAのGPUは他社が真似しにくい一方で、Coherentの光トランシーバーはAI以外にも使われている普通の製品だから、参入障壁を考えるとNVIDIAの方が株価収益率が当然高いべきであり、それを考えるとどちらが割安か迷う水準までCoherentは上がってきていると言える。

元々の考えではNVIDIAよりかなり割安だからという理由でCoherentを買ったわけだから、NVIDIAと似た水準まで上がってきたならば、株価37%上昇で推奨を終えるべきだろう。それでも十分上がったのだが。

一方でLumentumは2026年の利益成長率が135%の増加(つまり2倍以上である)、株価収益率は24倍と予想されており、成長率が段違いである。NVIDIAと比べてもやはりこちらの方が良い。

当初の筆者の予想通りの結果となっており、Coherentだけに留まらずLumentumを掘り出してきた筆者の勝利だろう。既に推奨時から71%上昇しているが、推奨継続である。

SDGs銘柄のSmurfit Westrock

さて、長くなったが最後にもう1つ銘柄を追加したい。ジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントがポートフォリオに加えていた、紙やダンボールを使った包装を行なっているSmurfit Westrockである。

何故紙の包装の会社がトレンディーなのかと言えば、欧米のリベラルな人々はプラスチックの包装を止めようとしており、Smurfitはその代わりとなる紙の包装を提供しようとしているのである。

少し前まで紙の使用は森林破壊だとか言われていたではないかとか、そういうことは問題ではない。リベラルの人々の論理構造を突いても意味がない。投資家は淡々と相場を予想するだけである。

2025年のアナリスト予想の平均に従えば、Smurfitの1株当たり純利益は3.5ドル、利益成長率は67%、株価収益率は16倍ということになる。Lumentumより良いかどうかは微妙なところだが、NVIDIAやCoherentより魅力的に見える。

ということで、相場の推移に従ってポジションを少し調整してみた。NVIDIAもCoherentも決して悪くはないのだが、できるだけ良い銘柄でポートフォリオを構成したいのである。