アメリカの金融政策を担うFed(連邦準備制度)は1月31日から2月1日にかけて2017年始めてのFOMC会合を開催し、政策金利を維持することを決定した。決定は全会一致。
決定とともに公開された声明文は利上げを行なった前回からほとんど変わっておらず、不透明なトランプ大統領の政策の行方を先ずは様子見と言ったところだろう。前回の会合については以下。
ただ、アメリカ大統領選挙以来、そもそも投資家はFedの言うことを気にする必要が無くなってしまった。何故ならば、経済成長とインフレへの期待で長期金利が先ず上がり、Fedのイエレン議長は先行して上がった長期金利に合わせて政策金利を鞘寄せしているに過ぎない。だから重要なのは長期金利の動向であり、Fedではない。以下は長期金利のグラフである。
長期金利については、昨年からわたしが危険水域と呼んでいる2.7%から3.0%に入るかどうかが問題となる。その辺りの水準から長期金利が株式市場に悪影響を及ぼし始めるだろう。
現状では市場はこのレンジを避けるように推移しているが、もしトランプ政権の経済政策が成功し、少なくともインフレが2%、実質経済成長率が2%で、その和である名目経済成長率が4%となるとき、長期金利は現在の水準を大幅に超えて暴騰、金融市場は崩壊するだろう。
だから問題は実際にそうなるかどうかである。2016年第4四半期のGDPが少しの示唆を与えてくれているので、近いうちに取り上げたい。