7月13日、ドナルド・トランプ前大統領がペンシルバニア州での演説中に白人男性に銃撃され負傷した。トランプ氏は命に別状はないようだが、今のところ明らかになっている情報をまとめたい。
トランプ氏暗殺未遂事件
11月に控える大統領選挙も本格化する中、トランプ氏はいつものように演説をしていた。その様子はメディアでも生中継されていた。
トランプ氏が話している途中で銃声が聞こえた。そしてトランプ氏が右耳を抑えると2発目の銃声が鳴り、トランプ氏が身を伏せるとその上にシークレットサービスが覆いかぶさった。
以下がその時の様子である。
I just landed and missed an assignation attempt. Holy shit. What a bad ass reaction from Trump. The election is over. He's the next president. The Dems should give up. They can't beat him now. pic.twitter.com/omtbue191d
— Dave Portnoy (@stoolpresidente) July 13, 2024
トランプ氏は右耳を負傷したようだが、今のところの報道によると命に別状はないらしく、その後SNSへの投稿で次のように言っている。
わたしは銃撃され、銃弾は右耳の上部を貫通した。風を切る音と銃声が聞こえた時、何かが起きているとすぐに気付いた。銃弾が肌を切り裂いているのがすぐに感じられた。多くの出血があり、何が起こったのかを知った。アメリカに神の祝福がありますように。
銃撃ではトランプ氏の支持者に死者が出たらしく、トランプ氏は同じ投稿で哀悼の意も示している。
犯人はその場で射殺
犯人はその場でシークレットサービスによって射殺された。今のところ20代の白人男性だということの他に多くのことは分かっていない。
この犯人は近くの屋根の上から銃撃を行なったようだ。日本のSNSではすぐにトランプ氏に覆いかぶさったアメリカのシークレットサービスを、安倍晋三氏の暗殺事件の時の日本のシークレットサービスの出遅れと比べて賞賛する声が多いようだが、アメリカでは反応は反対で、そもそも何故大統領候補を狙いやすい屋根の上が何故何の警戒もなしにがら空きだったのかを非難する声が出ている。
また、バイデン大統領はTwitterに以下のコメントを出した。
今、ペンシルバニア州でのドナルド・トランプ氏の演説での銃撃について説明を受けた。
トランプ氏が無事だと聞いてほっとしている。
だがトランプ氏の支持者からは、バイデン氏が銃撃の数日前に支持者に対して次のように話したことに非難の声が出ている。
わたしにはやるべき仕事がある。それはドナルド・トランプ氏を打ち倒すことだ。わたしは自分こそがそれができる最良の人間だと確信している。
先日の討論会について議論する時間は終わった。今はトランプ氏を銃撃の的とすべき(原文:put Trump in a bullseye)時だ。
結論
犯人の動機など分かっていないことは多いが、とりあえず現状分かっている情報を集めてみた。
トランプ氏は銃撃のあと、シークレットサービスが覆いかぶさる中でこぶしを振り上げ「Fight」と何度も叫んだ。
— Tucker Carlson (@TuckerCarlson) July 13, 2024
映画のような写真だが本物の暗殺事件の直後である。
今回の大統領選挙では、筆者は手放しではトランプ氏を支持していない。イスラエルを支持するユダヤ系やキリスト教保守派を支持母体とするトランプ氏がパレスチナ情勢をどう扱うかが不明瞭であるからだ。
だが1つ言えることは、トランプ氏は少なくとも利権のために大統領になった政治屋ではないということだ。
トランプ氏の資産は政治活動のため増えるどころか減っている。資産をすり減らし、そして今回のように暗殺されるリスクまで背負って政治をやろうとしている。
有名税というのは割に合わないものだ。何をやったとしてもこうした馬鹿は必ず出てくる。政治家であれ芸能人であれ、あらゆるリスクを背負ったとしても個人として得られる報酬はたかだか金である。
だからトランプ氏のように元々資産を持っている人間には、大統領は割に合わない仕事である。トランプ氏が自分のために政治をやっているという主張は馬鹿げている。
だがそれでもトランプ氏はそれをやり遂げようとしている。この写真は彼のそうした意志が表れた良い写真だと思う。