DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がCNBCのインタビューでFOMC会合後の株価の動きにコメントしている。
FOMC会合後の株式市場
先週行われたFOMC会合では、最近強めに出ていたインフレ統計にFed(連邦準備制度)がどう反応するかが注目されていた。
だがパウエル氏はインフレ率は次第に2%に戻るとの姿勢を崩さず、年内に利下げを行なう意向を改めて表明した。
それ以来、雇用統計が弱く賃金インフレの減速が見られたこともあり株式市場はやや反発している。
S&P 500は次のように推移している。
ガンドラック氏の相場観
これからどうなるのか。ガンドラック氏はFOMC会合について次のように述べている。
市場はパウエル氏のコメントを歓迎した。市場は利上げの仄めかしがあるのではないかと恐れていたが、それはまったく無かった。
インフレ率が下落する気配がないことから、筆者や経済学者のラリー・サマーズ氏などは利下げどころか利上げの可能性も指摘している。
だからFOMC会合で利上げを示唆しなかったのは株式市場にプラスだとガンドラック氏は言っている。
また、株価の中期的な動向についてガンドラック氏は次のように述べている。
市場が完全な上げ相場に転換したのは11月1日だったが、それから金利は多少上がったもののそれほど上がったわけではない。金利は上がったり下がったりしているが、完全にレンジ内で推移していて、それが株価にとってプラスになっている。
パウエル議長の記者会見を聞く限り、それはまだ続くように思われる。
アメリカの長期金利は以下のように推移している。
結論
ガンドラック氏は、利上げを示唆しなかったパウエル議長の方針によって、経済が利上げを引き起こすほど強すぎず、景気後退になるほど弱すぎない、いわゆるゴルディロックスの状態が出来上がっている言いたいのである。
今後の金融政策について、ガンドラック氏は次のように予想している。
市場のインフレ予想や、最近弱いもののほぼ20日移動平均線通りに推移しているコモディティ価格、上昇している原油価格などを考えると、メインシナリオは年内利上げ1回だろう。
だがこれは「利下げ」の間違いだった。ガンドラック氏は訂正したが、司会者から無意識に考えていることが出たのではないかと指摘され、ガンドラック氏は苦笑している。
株式市場のためにもそうならなければ良いのだが。だがマーク・スピッツナゲル氏によれば、一番怖いのは利上げよりも利下げだそうだ。それも一理ある。