ガンドラック氏: バイデン氏は大統領選の討論さえ満足に出来ないだろう

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がPensions & Investmentsによるインタビューで、今年11月に行われるアメリカ大統領選挙について語っている。

2024年アメリカ大統領選挙

アメリカでは11月に大統領選挙が行われるが、現在与党民主党と野党共和党の候補者を選ぶ予備選が行われている。

ガンドラック氏は以前、今年の大統領選挙はバイデン氏vsトランプ氏ではなくなると予想していた。

だが両党の予備選はどちらもバイデン氏とトランプ氏以外に候補がなさそうだ。

共和党の方は以下の記事でレイ・ダリオ氏が推していたニッキー・ヘイリー氏がまだ残っているが、トランプ氏に対してほぼ惨敗の状況である。ウクライナ支援を支持するなどほとんどリベラル派の彼女が共和党の候補になれるとは筆者は最初から考えていなかった。

バイデン氏は選挙戦を戦えるのか

だからガンドラック氏やダリオ氏の予想は外れ、このまま行けば2024年の大統領選挙はバイデン氏とトランプ氏の勝負という4年前の繰り返しになりそうである。

だがそれでもガンドラック氏はバイデン氏がこのまま民主党の候補になるとは考えられないようだ。ガンドラック氏はこう述べている。

バイデン氏が再選のために本当に出馬するとは非常に信じがたい。

だがバイデン氏には本当に対立候補がいない。それでもガンドラック氏がそれを疑う理由は何か。彼は次のように述べている。

バイデン氏が討論できないことは誰もが知っている。彼が1時間半もの討論をどうやって出来るのか分からない。

バイデン氏の体力、明らかな健康状態、不明瞭な発音、死んだ人が聴衆のなかに居るかのように話す奇行…トランプ氏にも似たようなところがあるが、バイデン氏がそれをやる頻度は度を超えている。

バイデン氏は2022年、会議の最中に「ジャッキーはどこだ?」と言いながら1ヶ月前に事故で亡くなっていた下院議員を探し始めた姿が報道された。

また、バイデン氏は今月、フランスのマクロン大統領のことを「ドイツのミッテラン」と呼んでいる。だがバイデン氏もそこまで馬鹿ではない。すぐに間違いに気付いて言い直した。「フランスのだ」。ちなみにミッテラン氏は1995年にフランスの大統領を辞め、1996年に亡くなっている。

結論

ガンドラック氏は次のように言う。

バイデン氏がこれから更に4年、いや現在から考えれば5年も大統領をやるのが良い考えだということを彼や彼の支持者が本当に考えているのか不明だ。それはわたしには考えられない。

これは2020年の大統領選挙の頃から思っていたことだが、アメリカ民主党の支持者は自分のイデオロギーを支持する政治家ならばもう本当に誰でも良いのだろう。バイデン氏でも良いのだから、本当に誰でも良いはずだ。

自分たちのイデオロギー、例えばウクライナへの関与などである。だが一方で共和党の支持者たちは、2014年から続くアメリカのウクライナ介入がなければ戦争など起きなかったという事実に気付いている。そしてその介入を行なってウクライナを反ロシアに仕立て上げたのが、オバマ政権で副大統領をやっていた他ならぬバイデン氏なのである。

以下の記事で報じたように、2016年に解任されたウクライナの元検事総長ビクトル・ショーキン氏は次のように述べている。

わたしの解任はポロシェンコ大統領の要求に従い辞表を提出した形で行われた。ポロシェンコがわたしに辞任を頼んだのは、アメリカ政府の特にジョー・バイデンによる圧力のためだった。

当時バイデンは副大統領で、わたしを解任するまでウクライナへの10億ドルの補助金は渡さないと脅していた。

わたしが解任された本当の理由は、わたしがジョー・バイデンの息子であるハンター・バイデンが取締役を勤めていた天然ガス企業であるブリスマ社に対する広範囲な汚職捜査を行なっていたからだ。

アメリカ民主党の支持者たちはバイデン氏を支持することを意味を考えるべきなのだが、彼らにそういう頭はないのである。だが彼らの信じるメッキはバイデン氏の残った知力とともに剥がれかけている。